大学の入学式で一目惚れした彼女と付き合う事が出来た俺。

その頃はよく学校が終わった後、俺ん家で遊んでた。

サザンが好きだった彼女。

常に二人、サザンを聴いていた。

彼女のお気に入りの曲は“C調言葉にご用心”

何度もいい雰囲気になったが、超弱かった俺は、したくても…Kissがなかなかできない…

そんな最強にダサい俺に『Kissしてもいいよ』と言ってくれた彼女。

30分くらいかけて決心し、彼女の唇へDiveした。

FirstKissはキムチ味(笑)

直前に2人でキムチ味の何かを食べていたから…

学校をさぼり、彼女に付き合ったららぽーとやラフォーレでのショッピング。

よく一緒に行ったサイゼリヤ。

彼女に見合う男になりたいと急にファッションに目覚めた。

香水にも詳しくなった。

家族や友達に誇るように彼女を紹介した。

だが、女に合わせまくっている男、自分を持っていない男は魅力がない…

ある日、彼女からメールで別れを告げられた。

夏休みの前だった。

俺は彼女に電話をしまくった。

フラれる免疫がなかった俺は、限度を知らず、彼女が電話に出ないのに…彼女の電話の充電がなくなる程に、かけ続けた。

そうして…泣きの1回。

最後のデート先は、やっぱり…ららぽーと。

帰りの駅で彼女は言った。

『いつか私を忘れても、この香水の匂いで私を思い出してね。私もあなたの香水の匂いとサザンの曲で思い出すから。』

本当に辛かった…

公衆の面前で泣いた…

大泣きした…


向かいのホーム…

電車が滑りこんでくる直前に…笑顔で俺に手を振ってくれた彼女の姿がスローモーションのように見えた…

フラれた後の俺達はお互いに気まずく、学校ですれ違っても言葉を交わす事はなかった。

彼女と同じ授業に出るのがきつかった俺は、その後、ある出来事をきっかけに、学びのフィールドをキャンパスから街中へ移した。

つまり、学校へ行かず、毎日、街中でナンパをするようになった。




4年後に電車内で再会した俺達。

当然、俺は変わっていた。

彼女が知る…当時の俺はどこにもいなかっただろう…

純粋さやウブさ、バカみたいなひたむきさや一途さ…


『私の事、分かる…??』


しばらく言葉が出て来なかった…

『…分かるよ。』


それから、俺達はお互いの連絡先を教え合い、別れた。

その後、1度だけデートした。

交際当時は電車ばかり使っていた俺達。

初めてドライブした。

彼女を家に送り届ける頃、彼女は偶然の再会を本当に喜んでくれた。

俺もあの時のデートは嘘みたいに思えた…

たった1度きりのデート…

本気で好きになった女を友達として見る事は、俺には出来なかった。

俺なりに大切にしていたFirstKissの相手が彼女でよかったと心底、想う。




彼女を送り届けた帰り道…俺は1人、サザンの曲を聴いた。

真っすぐだったあの頃を思い出しながら…




“胸をつかみうなじを味わいやせた腰をからめて

とぎれとぎれの声聞くだけでいい

恋をすればするだけ女の泣いた顔に醒めてく

髪の長さや色気じゃ酔えない


たまにゃ Makin' love

そうでなきゃ Hand job

夢で I'm so sad

ぐっと狂おしく All night

みだれ女の吐息に悩める

純情ハートの俺であるがゆえ”