純粋だった俺が突如、ナンパを開始したのは二十歳の秋だ。





それまで女と話す事さえままならなかった俺が…突如、スティンガーと化した理由は別の機会に話すが、これには深いわけがあった。





とにかくナンパを始めてから、始めの1ヶ月は…それはそれはひどかった…





声をかけられないまま終わる事をスルーと呼ぶのだが、幾度となくスルーを繰り返した。





だが、ナンパ開始から、ジャスト1ヶ月後に新宿で出会った同じ誕生日の女の子と友達になってからは、ナンパが楽しくなり、徐々にイッパシへとなっていった。





この頃はとりあえず番号交換をして、友達になる事を目標としていた。





この番号交換を俺は安打と呼び、セックスを本塁打と呼んだ。





そのうち、自分はどれくらいの打率を残しているのかが気になり始め、当時の仕事先で使用していた、表のようなモノを利用し、女の子に声をかける度に…場所、外見の特徴、外見のランク、結果などをメモし、打率・本塁打数を記録し始めた。





当時、21歳、大学2年生の自分の成績は本塁打こそ多くはなかったものの、打率はジャスト333を記録した。





3割3分3厘。





声をかけた3人に1人に電話番号を教えてもらえていたわけで、これはかなりいい数字だと自負している。





ちなみに表に書いたのは約150人くらい。





まあ番号を教えてくれた50人全員と友達になれたわけではないんだけど…とにかく当時の自分は、色んな出会いの機会があったという事。





そして…今。





おそらく。





打率1割にも達していないはずだ。





その代わりと言ってはなんだが、本塁打数は当然増えている。





が!!打率の低さに納得ができない。





考えられる理由が、いくつかある。





まず、俺の声かけ対象女子が…昔は純粋に彼女にしたいコだったのに、今はセックスしたいコになっているという事。





簡単に言うと、俺はエロくなった。





エロ系へのシフトチェンジだ。





そして、なにより自信の喪失。





これを直視せねばならない。





3割バッターだった当時の俺は1流大学生だったのに対し、今の俺はフリーター。





しかも28歳…





しかも駐輪場監視員&パチ店員…





これではナンパする時も自信満々なはずはないし、モテないし…むしろキョドル…





そして。





大量の借金。。。





厳しい……





未来が見えない……