「やめないよ」三浦知良 2011年発行
言わずと知れた「キング カズ」こと 三浦知良さんの著書。
最近読んだサッカー関連本の中ではダントツの面白さです!!
彼の生き様が如実にあらわれていて、グイグイ引っ張られていって、あれよあれよという間にカズワールドにすっかり魅了されていきます
若い頃に人並み外れた苦労を経験してる分、土台が違うんですよね。そもそもの…
そこに加えられた長いキャリアにおいての経験値と心底サッカーを愛してやまない気持ちとサッカーに対する情熱、なにくそ根性でがむしゃらにやってきていながらも常に真摯に前向きにサッカーと関わってきたカズだからこその言葉の数々がものすごーく深いですね~!!!
私のこの少ないボキャブラリーでは伝えきれないので、
私なりに気に入ったページの一部分を抜粋してお伝えしてみます。
(途中割愛しているところもあるので全文ではありません)
~プロローグより~
「「引退」という言葉も周囲からは何度か聞いた。
世間の声も耳に入っていた。
けれども、いま、僕の中では、どこでどんなふうに引退しよう、
なんていう設計図はまったくない。
カズらしさを持ったままで引退、とか、
辞めるときのタイミングが大事、などと、
いろんなことを言う人がいるけれど、
僕はもう、そんなことすら考えていない。
そんなことも考えずに、ただ一生懸命やる、
明日も一生懸命やる、それだけなのだ。
ときどき僕は思う。
本当に身体がボロボロになるということは、
どういうことなのだろう、と。
身体がボロボロになったら、サッカーをやめるどころか、
人生をやめなきゃならなくなるんじゃないか、
と思って怖くなるときもある。
過酷なことをやってきたツケとして、
普通の生活になった途端にある種のリバウンドが起きて
歩くことさえできなくなるんじゃないか、という恐怖。
筋肉に覆われていた関節が、筋肉が落ちて、
もたなくなるんじゃないか、という恐怖―。
僕らの身体は、クルマにたとえて言えば、乗用車ではなく、
レーシングカーだと思っている。
レース用のクルマは普通の道路を走ってはいけない。
それと同じで、グラウンドにいるときはいいけれど、
家にいるときには僕らは普通の人よりもっと腰痛を
感じたりすることがきっとあるのだと思う。
もし、僕が走るのをやめて、展示場に飾られるだけのようなものに
なってしまったとき、
僕の身体は死んでしまうのではないか。
そんなことを最近は強く思う。
元ボクサーのモハメド・アリは、
パーキンソン症候群になってしまい、
普段は手が震えているのに、ファイティングポーズをとったときだけ
震えが止まる、という話を聞いたことがある。
脳のどこかでそれを覚えているためか、
刷り込まれた何かがあるのかわからないけれど、
そんなふうに、自分の身体であって、自分の身体ではない、
というようなところがどこか僕にもあるのだ。」
悩ましいカズダンス
「大分トリニータ戦では今季2点目でチームの勝利に貢献できたし、
久々の「カズダンス」に喜んでくれた人もいたようだ。
最近はゴール数も減っているから、
なかなかパフォーマンスを披露する機会もないけれど、
得点を決めても踊るかどうかもタイミングが意外と悩ましい。
アウェーだと遠慮してしまうし、結果的に試合に負けてしまうと
印象もよくないから、開始早々のゴールではやりにくい。
逆転負けしたときに、やらなきゃよかったと後悔もする。
それにあのダンスは20代のときによくやっていたものだから、
今は照れもある。
ただ、若いころは試合状況を気にせず、勢いで踊っていた。
ヴェルディ川崎時代は0-2からでも逆転する自信、
自分がゴールすれば勝てるという自信があったから、
前半1分のゴールでも踊っていた気がする。
ゴールにしてもダンスにしても、見に来てくれた人たちが
喜んでくれることが一番うれしい。
いいものを見たなと気分良く帰ってくれて、
その話題を肴に一杯飲みにいってくれるような。
プロ野球の王さんや長嶋さんのエピソードが酒の席や
電車の中で語られるように、世間話にサッカーが入り込む。
そうなることを目標にこれからも頑張っていきたい。」
現役を続けるために必要な環境
(城彰二選手の引退試合に出場したところからの話です)
「サッカー選手の年齢を考えるとき、
ちょうど2倍にすれば会社員の人たちと
同じくらいのイメージになる気がする。
つまり、10代半ばの選手は、企業でいえば20代から30代で、
いろいろな経験を積んで成長する時期。
選手がピークを迎える20代は、
サラリーマンなら40歳を過ぎて脂が乗る働き盛りという具合だ。
そして会社員にとっての定年が、サッカー選手なら30歳前後。
自分ではまだやれると思っても、世代交代だと言われてしまう。
もうすぐ41歳の僕は、
80歳を過ぎても営業でバリバリ走り回っている
”おじいちゃん”という感じだろう」
目標は、10年後に同じスーツを着られる体でいること
「車にたとえると、アスリートの体はF1マシンのようなものだろう。
時速200キロでレース場を走ることには優れている反面、
街中を徐行運転することには向いていない。
プロ23年目の僕の場合、23年落ちの車体でレースに
出ているのと同じだ。
鍛え続けてきたエンジン(心肺機能)は強いけど、
一度走るとタイヤ(筋肉)がすごくすり減るし、
サスペンション(関節)への負担も大きい。
だから専属エンジニア、つまりトレーナーや
調理師にケアをしてもらいながら戦っている。
時々、彼らの指示を無視して夜の六本木・麻布方面へ
”テスト走行”に出かけることもあるけれど。」
他にもたくさんお伝えしたいことはあるのだけど、
時間をかけてまで思わず抜粋したくなるほど
ユニークな文面でいて、彼の哲学が入っていて、
今まで以上にリスペクトせずにはおれません。
そして、現在横浜FCで活躍している三浦知良選手を
ぜひ生で応援したい!!と強く思いました。
皆でスタジアムに足を運んで、生の熱気を感じましょう!
こんなすごい選手がまだまだ現役で活躍しているんですから
これからもっともっと日本のサッカー界はよくなるはず!!