うちに来てもらっているメイドさんは、推定年齢30代前半で、イスラム教徒です。
知人宅のメイドさんを紹介してもらったため、しばらくは知人宅とうち(に加えて他のお宅も)を兼務していました。しかし、知人は、頻繁に休むし仕事ぶりが適当過ぎるとクビにしてしまいました(後日談で、知人は他のメイドを雇おうとしたもののやっぱり彼女の方がよかったと分かり、戻ってきて欲しいとお願いしたという笑える経緯があります)。彼女は確かに仕事ぶりが雑ですが、悪い人ではありません。私は彼女には床とバスルームの掃除しかお願いしてないので、一日来なかったとしてもそこまで困らないし、特段不満はありません。むしろ人がらが悪くないのでこれ以上のメイドさんを見つけるのは至難の業だろうと思っています。
彼女には英語が通じないため、私の身ぶり手ぶりの英語と、片言のヒンディーでコミュニケーションをしています。基本的に掃除をしてもらうだけなので、そこまでクリティカルに困ることはありません。
こみいった話は言語の障壁によりしたことはありません。週末に彼女に来てもらうと、ごくまれに娘を連れてくることがあります。おそらく子どもと出かけるついでにうちに寄ってくれるのだと思います。小さい女の子と、小学校高学年くらいの女の子を連れてきたことがあったのですが、子どもが全部で何人なのかはきいたことがありませんでした。
知人によると、彼女のダンナは仕事をしておらず自分の母親と住んでいるそうです。そして、時々彼女の仕事中に電話してきて、仕事を妨害しているようです。そうやって自分のチカラを誇示しようとしている模様。インドのイスラム教徒には(他の国もそうなのか分かりませんが)、以前は夫が3回タラクと唱えると離婚が成立するというトリプルタラクというものがありました。女性側に不利すぎる習慣なので、確か数年前に禁止されたと記憶していますが、むしろ嫁側にその権利をあげた方がいいのでは、と思います。どうしようもないダンナから開放されるための武器を、生活保障とセットで。
彼女のうちでは収入源がどうなっているのか分かりませんが、少なくとも彼女と娘の生活費は彼女が稼がざるを得ないのだと推測しています。それを聞いてから、彼女が来るたびにお菓子をあげることにしました。栄養補助食品のクッキーです。少しでも栄養摂取の助けになればと思って。
先日は上の娘を連れてきました。お菓子がどれくらいあれば足りるのか確認したかったので、娘に兄弟姉妹は何人いるのか聞いてみました。ちゃんと英語で返事があり、2人とのことでした。どうやら私の見たことある子以外には子どもはいないようです。実はちゃんと教育を受けられているのだろうかと心配していたのですが、少なくとも英語が分かるようでかなりホッとしました。
裕福でない家庭に生まれた女の子は、この国ではきっと自分の人生を切り開いていくのは容易では無いと思います。本人の努力だけでどうにかなる問題ではない、文化的なハードルがあるように感じています。日本だってジェンダー問題では未だにずば抜けた後進国ですが、インドは日本とは違う形で女子に優しくない国です。それでも、どうかこの子たちの人生が困難過ぎるものにならないように、と祈るばかりです。