おふくろは、敬老ホームで楽しい生活を送っている、、、

年老いてくると、自分の頭で考えることと
動作にギャップがでてくるようだ。そしてその幅は
徐々に大きくなってくる可能性は多分にある。

以前から看護士に
「あなたのお母さんは協調性がなくなってきている、、、」
と聴かされ、敬老ホームから中間介護施設へ移る利点を
お話しされた。

遂にその時が来たようである。
施設に移るにもタイミングもあり、丁度入居する予定だった
方が、急にキャンセルされたので、知らせがあった。

土曜日の朝早く電話のベルが静かな空気を突き刺すような音
出勤の用意をしていた時のことである。

わたしは、土曜日はお仕事なので、お客様の間にフッと息抜きする
空間で、色々複雑な想いで今朝の電話の内容がイマージュされていた。

親も子も複雑な気持ち、、、
仕事が終わり、帰宅する前に敬老ホームに立ち寄りそのことを
おふくろに伝える。

おふくろは敬老ホームでの生活が凄く気に入っていただけに、、、
それと自分でも記憶力が薄れてくることに気がついている自分
それを一生懸命カバーしょうとする自分
(御陰様で、おふくろは今まで病院にお世話になったことのない
 とても健康な人生を過ごしてきた。又それが自慢でもあった。)
中間介護施設への偏見(これはわたしも含めてのことだが)。

そして、日曜日は“母の日”
おふくろの好きなお寿司を妻君の3人で食べに行く。
お互いの目を伺いながら、例年より深い想いに包まれて
ひそやかに、とても美味しかったお寿司をいただく。
食後、妻君のはからいでお茶をしに行く。
色んなことがわたしの頭の中をよぎる、、、
複雑な想いの中での食事だったが
でもお互いに「ありがたい、、、」という空気に
包まれた、なんとなく温か~なひとときであった。

月曜日は、例の如くおふくろと出掛ける火なので
到着すると、洗濯をしながら敬老ホームの看護士
施設の看護士などとより詳しい事情をききながら
おふくろに最も良い案を思惟する

午後4時に入居する前に面接が予定され、その前に
昼食をするのにドライヴをかねた外出をする。
(施設に適応しないケースだと拒否されることもある、、、
 というか、もし状態が重いようであれば、ナーシングホーム
 或はアルツハイマー用の施設への可能性も、、、?)

今日の、ドライヴ/ランチはお互いに口数の少ない
何かあるような、ないような空間をみつめた感じであった。

御陰様で、面接もそれなりのベースで進み一応
受入れられ、一週間ほどの観察を置きどの程度のものか
を調べるそうだ。ラッキーなことに施設は敬老ホームと
同敷地内なので、環境などはあまり変わることなく
おふくろも馴染むのに比較的に楽だと思うのだが。

面接が終わると手続きを行う
スタッフの数名の紹介とともに施設の規則
支払い方法などを学ぶ。
おふくろは社交的な所が多分にあるので
スタッフの方達も好感をもって話は進んで
行くように見受けた。

スタッフの中には、こちらの大学を卒業して
ソーシャルワーカー(Social Worker)の道を
目指している女性のS子さんがいる。

日本ではまだこのお仕事は新しい分野で
もう2~3年は研修を続けて経験を積むそうだ。
この敬老ホーム、中間介護施設、ナーシングホームなどは
アメリカでも高い評価を得ているし、日本からも
研修/視察に来られることも多い。
あしなが育英会から毎年学生が研修に来ることでも
知られている。