最近の漫画で心のそこから笑える漫画がこの漫画です。正直どんなパンを主人公たちが作ろうがそれは僕にはあまり関係のない話です。パンがどうのこう乗って言う話しよりも、早くリアクションを見せてくれという気持ちにさせてくれる漫画です。パンを食った後どんな妄想を見せてくれるのか、どんなリアクションを見せてくれるのか、というのが楽しみな漫画。ミスター味っこのときもそうだったっけ。ナイナイのゴチ、のリアクションもまた現実の世界では面白い部類に入るんだけど、悲しいかな、やはり現実のリアクションっていうものの限界があって、やはり漫画のリアクションっていうのには勝てないんだな。話が漫画から脱線するけど、現実の世界のリアクションでも漫画に匹敵するものだってある。ダチョウ倶楽部の、というか、竜ちゃんのリアクションはかなりレベル高い。あれは漫画でやっても面白くもなんともないリアクションだ。あまりに単純すぎて、さらっと読み流してしまうタイプのリアクションとなってしまうだろう。だけど竜ちゃんが、リアルの人間がやるから面白い、っていうのはあるね。そういうわけで、妄想をどんどん膨らませて、違う世界へと飛んでいくようなタイプのリアクションはやはり、絵で見ることのできる漫画ならではのものだ。逆に単純なリアクション、熱湯に入って熱がったり、涙目で「殺す気か!」っていうような短めのものは現実でも十分おもしろい。もちろん漫画でも面白いんだけどね。


大体がさ、パン食った後の妄想でページのかなりの量を埋めることができるって言うのがすごい。妄想だから、何の制約もない。パンを作ったり、競い合ったり、というバトルでストーリーが進み、途中でパンを食った人間の妄想でもうひとつのストーリーが挿話として入ってくる。こうやって展開を文字にするとものすごく単純かもしれないけど、あそこまで膨らませるのはやはり作者の才能以外のなにものでもない。妄想は何の制約もないということは、その妄想が面白いか、面白くないかは、作者のセンスだけの勝負だもん。

キャラクターだって十分個性的だし。アニメ化もしてくれて(たまにしか視てないけど)あの漫画のリアクションがどれだけ再現されているか、というのが楽しみな作品。アニメの中で実際に動いているリアクションも申し分ないし、よくがんばっていると思う。でも漫画の場合は脳内補完により、自分にとって一番面白いリアクションや動きを選び取っている。脳が最高に心地よく、楽しい(僕にとってね)リアクションを選択している。まぁ妄想の世界に入っているキャラクターの動きを脳内補完により妄想しているという、いうなれば人の見ている夢を見ている、というような状況ですね。


だからこそ、漫画は僕の思ったとおりの面白さなんだな。アニメはリアクションに動きがあるわけだし、その動きは当然動きを担当している人が面白いと思った動き、あるいは、動きを担当している人が、「この動きなら見ている人はわらってくれるだろうな」と考えた動きだ。となると、惜しいことに僕が面白いと考えたリアクションと表現と違う部分もあるわけなんだな。そりゃ当たり前なんだけど。それはそれでかまわない。むしろアニメのリアクションの動きのほうが、漫画で読んだときの僕の妄想よりも面白い場合も相当あるし。


うーむ、これは認識論の世界に入ってきつつあるのかもしれない、話がそういう方向にむかっていっているのかもしれない。じゃあアニメ→漫画→小説・・・という具合に、想像力を使う必要があるメディアのほうが、面白いのか?見ている僕が妄想できる範囲が多いほうが面白いのか?そもそも小説になってしまうと、僕の想像力が追いつかずに、逆に面白くなくなってしまうのでは?いや、作者が練達のものならばそういうこともないのでは・・・・。

RPGのグラフィックがきれいになって想像力が入り込む隙がなくなったから、あまりはまれない、っていう人がいるが、もしかしたら、それに類する話になるのでは?ということは、作者側がすべてを提示するのではなく、見るもの、あるいはゲームならプレイするもの、小説や漫画なら読者にも考えさせるもののほうが、すべてを提示する作品よりもより豊かに味わえるのではないか?


すみません、これも僕の妄想になりつつあります。別にパンをくったわけでもないのにさ。

まぁそんなことは考えずに、単純に面白いからみるし、アニメはアニメのよさがたくさんあるって話でいいか。さすがジャぱん、妄想させる作品だぜ。