メルセデス独壇場のなか、歴代王者を喰う新鋭たち。~リカルド、ボッタスらが急成長~ | サッカースパイクのブログ

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 タイトル争いは、N?ロズベルグとL?ハミルトンに完全に絞られたが、ヨーロッパラウンドに入って、新たなドライバー対決構図が見えてきた。

 第9戦イギリスGPは、ドライバーズトップのロズベルグが初のリタイアに終わり、ハミルトンが今季5勝目となる母国勝利を。大きく開いていた2人のポイント差はわずか4点、とゲーム差ゼロの様相を呈してきた。一方で、チャンピオン経験者を相手に見ごたえあるレースを演じているのが新鋭たちだ。

 その筆頭が、メルセデス勢に次ぐ現在ランク3位のD?リカルドである。レッドブル加入7戦目のカナダGPで史上105人目のウイナーに輝いた。予選タイムアタックで能力を発揮し、決勝のレースペースでも速さナイキ ズーム コービー キープできる。イギリスGPでは、エンジニアを驚かせる1回ストップ作戦を自ら判断して3位を得た。タイヤマネジメントがうまく、-14年型RB10のセッティングをまとめあげている。4冠王者でチームメイトのS?ベッテルが苦悩しているのとは対照的だ。

ヒュルケンベルグのオーバーテイクは“大先輩”譲り。

 また、リカルドと同じく-89年生まれのV?ボッタスも成長著しい。ウイリアムズ2年目でブレイクし、オーストリアGPで初の表彰台となる3位に輝くと、イギリスGPは2位を奪取。ランクは5位まで上昇した。昨季はマシンの戦力不足で8位がベストだったが、今季はモナコGPのリタイア以外、すべてのレースで入賞を果たしている。際立つのはオーバーテイク能力だ。パッシングラインを自由自在に変えて、相手の隙を突くテクニックは、フィンランドの先輩王者M?ハッキネンにも似る。ボッタスが106人目のウイナーになる可能性は高い。

 もう一人の注目は、F?アロンソとともに今季全戦入賞しているN?ヒュルケンベルグだ。中間チームのフォースインディアでランク7位をキープ。コンスタントなレースマネジメントが光る。特にシーズン前半戦ではレース巧者のアロンソを相手にひけをとらない攻防を再三見せてきた。キャリア4年目でまだ表彰台はないが、チームのランク5位に貢献。完成度が高いエースに成長した。

 リカルドとボッタスとヒュルケンベルグ。彼らがアロンソやベッテルに挑んでいくシーンに2014年の新たな「ドライバーズ?レース」を感じる――。

文=今宮純

photograph by Getty Images