しばらくお世話になったすでに地元感溢れ出ててるハートフォードという地方都市から、2年半ぶりにニューヨークに復帰した。


ニューヨーク州に住むのは2年半ぶり、そしてニューヨークシティーに住むのは5年ぶり、そして、マンハッタンに住むのはおよそ9年ぶりのこと。


ニューヨークシティというのはマンハッタン、クイーンズ、ブルックリン、ブロンクス、スタテンアイランドの5つの地域の総称で、ニューヨーク州となるとそこから北西にかけてかなり広い地域になる。


ニューヨークはビッグアップルと言われるのだけど、マンハッタンだけ見るとただの細長い地域で、なんでアップルやねんって話なんだけど、アップルというのはニューヨーク州全体の形がリンゴの形に似てるそうで、なのでニューヨークはビッグアップルといちおう呼ばれたりする。とはいえ、たぶん昔のニックネームで、今でもビッグアップルと言ってるシーンはあまり見かけないけど、スーパーとかお店の名前なんかで、◯◯アップルとかという名前をたまに見かけると、昔からやってるお店なんだろうなぁという感じがする。


目黒あたりを山の手と呼ぶのに似てるかもしれない。なんとなくレトロな感じを覚えるかな。


と、僕は10年近くぶりにマンハッタンに復帰したのだ


やっぱり地下鉄で24時間移動できるのはメリット大きいし、周辺のお店も24時間やってるとこがけっこうあるのは、郊外のハートフォードとはぜんぜん違う


郊外だと、24時間やってる店はごく一部のドラッグストアくらいしかないし、だいたい夜になれば人通りはほぼなくなる。てか、昼間からそんなに人は歩いてない。。


たしかに郊外はウォルマートのような明らかに安い店はあるんだけど、逆に言うと買い物はウォルマートくらいしかなくてすぐ飽きる。


誤解を恐れずに言えば、生活のための生活しかなく、ただ生きるためだけならば必要十分かもしれないけど、生活の楽しみみたいなのはやっぱ限界があるんよね、郊外は。


それに比べてマンハッタンは、そりゃ世界に誇るニューヨークのど真ん中なわけだから、楽しいものはたくさんある。


そのトレードオフとして、物価は高いから、たとえばハートフォードのウォルマートで18個入りの卵が2ドルちょっとのところ、引っ越してきたアパートの近所のスーパーでは、7ドル超。。。


最初は、まじかぁ、、、と溜め息が漏れたけど、まぁ、そういうもんだよね


物価にはちゃんと根拠があるわけで、それくらい払ってでもそれでも住む魅力があるから人々は住んでるわけで、住む場所というのは自分が占有する部屋だけを指すわけではなくて、周辺の街並みとか、無料で利用できるインフラとかを含めてその土地の価値が決まるわけだから、卵7ドルだからマンハッタン無理だわぁとはならない。


やっぱり郊外にはない魅力というものがあるよね。もちろん郊外は郊外のよさというのもあるけど、、


そんなわけで僕が引っ越してきた先は、マンハッタンの北側。


ここは、ちょうど9年前に最後にマンハッタンに住んでたアパートから1ブロック先の場所なんだよね


なので、周辺のお店とかも馴染みがあって、新しい場所に引っ越してきたというよりは、もといた場所は戻ってきたって感じなんよ


地域的にはハーレムという場所だけど、日本人に馴染みのあるスポットというと、アポロシアターかな。


ニューヨークちょっと知ってる人だと、ハーレムというと治安大丈夫??みたいなイメージかもしれないけど、ハートフォードに比べたら、マンハッタンなんてどこだって安心すぎるくらい安全、、笑


コロンビアに比べたら、アメリカなんてどこだって眠くなるくらい平和。。笑


なので、ハーレムも、平和中の平和。。


てか、9年前も今も、良くも悪くもぜんぜん変わってないなっていうのが印象だね。


たとえば、ブルックリンって地区があるけど、そこは急速に開発が進んで、以前は治安最悪の代表みたいな地域だったのに、今となっては一部地域をのぞいてオシャレタウン。


ニューヨークは不動産の高騰が激しいから、中心部から弾き出された人々がどんどん周辺に追いやられると同時に周辺の地価も高騰を続けてるわけだけど、その影響で、これまではこんなとこ住めないよ、みたいな地域にもシャレオツタワマンみたいなのが建ったりとかしてオシャレタウンに変貌を遂げてるわけだけど、マンハッタンのハーレムは、昔も今も変わらない。


これは、建築に関する法律的な面も関係してるんだと思うけど、マンハッタンの建物は景観を保持するなどの観点から、簡単には建て替えができない。


だから、1920年代の建物なんかがたくさん残ってるんだけど、そうした事情で、昔も今も景観が変わらないと同時に、街のインフラも大きくはアップデートされない。地下鉄なんかのシステムはだいぶ進化したけど。以前はスケジュールを知らせる電光掲示板すらなかった。今は次の電車があと何分で来るかちゃんと表示されるようになった。


ハーレムはとくに、昔から住んでる人も入れ替わらないから、店も変わらないし、人々の構成も変わらない。人々の構成というのは、わかりやすく言うと人種構成だったりするわけだけど、そういうのが変わらない。


だから、ハーレムは、以前も今も街の風景がぜんぜん変わらない。


利便性も変わらない。


ただ、家賃が爆上がりしてて、以前なら1400ドルくらいでスタジオアパートを借りれたけど、今はその価格ならシェアじゃないと無理。


ハートフォードなら同じ価格で新築アパートの1ベッドルームを借りて一人暮らしができるけど、マンハッタンでその値段で一人暮らしは絶望的なんよね


1400ドルというと、日本円にしたら21万円くらいだけど、それくらい出しても一人暮らしはまず不可能


というわけで、ニューヨークで一人暮らししようとしたら日本円にして30万円からみたいな世界だから、今回はシェアで住むことになった。


とはいえ、どうせ一人なんだからシェアでぜんぜんいい。


てかむしろ、家にいる時間は限られてるわけだから、たかだか一日数時間のために一人で占有するためのバカ高い家賃払うよりは、ルームメイトとシェアして家賃抑えたほうがぜんぜんいいんよね。


以前にハーレム住んだとき、日本のシェア専門不動産屋みたいなとこの物件借りて、日本人のルームメイト2人とシェアだったんだけど、その会社はもうなくなってしまったようで、今回はアメリカのシェア専門不動産会社みたいなとこにお世話になることにしたよ。


当時はビザ的な問題とかいろいろ縛りが多かったけど、今はもうビザに縛られることはなくなったし、勤めてた日系企業も数年前に退職して自分の会社作ったし、そして今はアメリカ現地100%のGoGoボーイカンパニーに働いてるわけだから、やっと自分が当初やりたかった状態を実現できてるんだよね。


もちろん、プライベートでは信頼できる日本人の友人や知人と会えることが癒しだし楽しみだけど、かといって依存しすぎてはよくない。信頼できる人にお世話になってるありがたさを充分に理解して、感謝の気持ちを忘れたらぜったいダメだけど、甘えすぎてぶらさがっては自分が崩壊する。


僕は、日本は好きだし日本人も好きだけど、日本の商慣習はあまり好きではない。


だから、日本の会社で働けないし、アメリカでも日系企業でずっと働いていくのは無理。まぁ、日系企業と一言でくくるのは語弊があるとも思うけど、いわゆる日本ずぶずぶの会社は合わないと思う。もちろん、向こうとしても僕のような存在は扱いづらいだろうし笑


なにごとも、お互い様やね。。


実際、アメリカにある日系企業というのは、今の日本以上に日本ぽいってのが肌感なんよ。


なんでかというと、昔の日本で働いてた人が上司とかになるわけだから、今の日本以上に面倒くさい日本の商慣習が残りがちなんよね。


そういう会社で働くくらいなら、最初から日本で働いとるわって話なんよ。


とはいえ、現実にはいろいろあるさ。


アメリカ100%の環境で働くことはいろいろあるけど、まぁ、これは僕が僕自身に課したゲームだから。


GoGoの募集を自分ひとりで見つけて、オーディションを自分一人で受けて、採用してもらって今もニューヨーク老舗ゲイバーのGoGoボーイとしてアジア人たった一人だけど、周りの南米ガイに溶け込む努力をして続けてるから、いいときもそんなよくないときもあるけど、言い訳しても仕方ない。


そんな気持ちでなんとかやってきたし、これからもやっていきたいと思ってるよ。


いつも思うのは、


自分が選んだ道。


たまに弱気になったときは、もう一人の自分が、


お前が自分で選んだ道なんだからなっ!と言ってくれる。


僕はもともと僕というたった一人の人格で構成されてるんじゃなくて、自分という物理的に存在する肉体の箱の中に、何人もの自分らしき人格が宿っている。


そうした人格は、必ずしもひとつの方向を向いてるわけじゃないからときにややこしいんだけど、つまりそれが多様性なんよね


社会にとって多様性が大事だというのはほぼたしかな言説と言っていいと思うんだけど、それは個人としての心の在り方としても同じだと思う。


自分はこういう人だから、みたいにあえてわざわざ自分で自分から自分を制限することはバカバカしいことで、人なんて、まわりの人や会社やコミュニティや住む場所や付き合う人や、そうした外部的要因によって、いつでもいくらでも変わるものだと思うから、そうしたスライム性を維持するべきだと僕は信じてるよ。


液体と半液体と固体。


違いは水分量にすぎなくて、


スキンケアでもそうだけど、水分量が減ったらカサカサになるやん。


マインドセットも同じで、常に水分量を確保しておくべきだと思う。


水を入れすぎるとシャバシャバになってまとまりつかないけど、バサバサにならないためには、ちゃんとした湿度を保たないといけない。


湿度が高すぎるとジメジメになる。


ジメジメな人間関係は好きじゃない。


けど、カサカサしてながら生きてても意味がない。


適切な水分量。。。


いつも、、僕の興味はそこにあるよ。。