先日のラスベガスでは、AVN Awards 2024(ポルノ版アカデミー賞授賞式)に合わせて開催されたアダルトモデル同士が交流する、Model Mixerという名のパーティーに参加するのがメインの目的だったのだけど、


せっかく行くならということで、エスコートの仕事も受けることにしていた。


何月何日から何日間、ラスベガスにいますよ、的な登録がサイトでできるようになってるので、それを2週間前くらいかな、飛行機のチケット確定した時点で登録しておいたのだった。


とはいえ、旅先でカツカツのスケジュールもちょっと嫌なので、直前に来た問い合わせとかは、また今度お願いします的な感じでお断りのお返事したりとかしたので、実際に会ったのは事前に予約を受けていた人たちだけ。


そのうちの一人の出張先は、とある巨大有名カジノホテルだった。。


そもそもラスベガスの街は、ストリップ通りと呼ばれる目抜通りに巨大カジノホテルが並んでいて、そこから周辺に大中小のホテルが点在し、さらにその周りに住宅地が広がるような街の造りになっている。


テレビとかで見る、いわゆるラスベガスらしい光景は、このストリップ通り周辺の景色で、そこから少し外れると、単なる平均的かそれ以下の住宅地と廃墟のようなショッピングモール、そしてユニバーシティのキャンパスと、さらにその先はひたすらの砂漠。。


ストリップ通りは、観光客も気軽に楽しんでいるし、家族連れも観光に来てたりするので、近付き難い雰囲気は決してないのだけれど、


カジノの一般人がうろつくエリアの先にあるVIPエリア的な制限区域の向こうは、まるで映画のようなただならぬ空気が流れていることがある。


もちろんこれも表から見える範囲での話なので、さらにその奥では、もっとディープな空間が展開されているに違いない。


さて、そんなラスベガスには僕はもう何度も行ったし、ダウンタウンも含めて周辺を一通り歩き回ったし、カジノホテルにもいくつか宿泊したこともあるし、だいたいのホテルの位置関係や街のつくり、ホテルごとの特徴なんかは把握している。


そんな中、先日の出張先は、巨大カジノホテルの中でも最大手のカジノ会社が運営している、ストリップ通りの中でも最高級のカジノホテルだった


出張先がここの時点で、客のレベルは一定水準が保証されるというものだ。


たとえば同じストリップ通りにも、古めかしくて比較的安いホテルもあるのだけれど、金があればわざわざそんなとこには泊まらない。せいぜい学生が卒業旅行にでも来て泊まるようなホテルだ。仮にそんなとこに出張で指名されたとしたら、その時点でその客のお里が知れるってもので、こっちもやる気にならない。


一方で、今回のような最上位クラスのホテルに呼ばれれば、その時点で客の信用は高い。客の信用というのは、つまり金である。金のない人から取ろうなんて最初から思っていない。そんなことしたら単なる詐欺だ。


僕たちの商売は、金のある人に遊び場を提供することにある。金がないのなら、アプリかなんかで適当に知り合った素人とでもやって、こじらせとけよ、という話だ。


僕は、ベテラン娼夫なのだ。素人の覚悟とは、違う。


ベテラン娼夫を利用する、お客様にとっての最大のメリットは、後腐れしないということだと思う。


言っていいことと言っちゃいけないことを弁えているし、お客さんのプライバシーも当然ながら最大限尊重する。そして、お客さんには昼間の顔や家族との顔もあるわけだから、そうした場面で邪魔しないように、不用意にこちらからメッセージを送ったりすることもない。営業メールなんかもこちらから送ることはぜったいにしない。プロならば、お客様から追いかけられなければならない。こちらから客を追うようなことは、そんなのは素人のやることだ。


こっちから会ってほしいと言わないと会えないのだとしたら、もっと根本的に自分の営業方針を見直したほうがよい。ウリ専ボーイはブランドビジネスだから、自らブランドイメージを下げるようなことをしちゃいけない。


もちろん、お高くとまって鼻につくようだとそれはそれで問題だけれど、仮にお客さんの立場だとして、自分のお気に入りの男の子がへりくだりすぎてたら、なんだか虚しくならないかな。


お願いだから指名してくださいとか、ピンチだから恵んでください的な、もしもそんなふうに相手に映ったら、お客さん的には白けると思う。


お客さんからしたら、一緒にいると楽しいから指名するわけで、人助けで指名するわけではない。もちろん、兄弟的なとか親心的にサポートしてくれる気持ちも持ち合わせてるお客さんもいるとは思うけど、それはあくまで副次的な話で、寄付でもボランティアでも人助けでもなく、これはビジネスなのだから、単純にサービスとその対価との交換にすぎない。


道を歩いていて、お願いだから買ってくだせーと懇願されても、その商品に魅力は感じない。マッチ売りの少女状態で無理やりマッチを買わせるのではなく、マッチのブランドイメージを高めて客が手に取りたくなるマッチを籠に持っていれば、自然と売れるはずだ。客引きなどせずに、ピシッと静かに店を構えていたらそこの商品を手に取ってみたくなるにちがいない。


アプリかなんかで適当につかまえた素人の子と一回ヤッたとして、ヤッたんだからオレたち付き合ってるよね?的な、なし崩し的彼氏関係になってこじらせていく未来は目に見える。結婚して妻と子どもがいるビジネスマンとかが僕のお客さんには多いから、素人に手を出して、こじれた末に妻にチクるぞなんて脅されかねない。


だから、安心安全なベテラン娼夫をご利用くださいという話なのだ。


そういうわけで、お金にある程度余裕があれば、わざわざアプリかなにかで素人をひっかける必要はなく、対価を渡して遊んだほうが話が早い。それを理解してるのが、上客というものだと思う。


そして、出張先が高いホテルというのは、その時点で経済的余裕が一定程度担保される。仮に仕事の出張で来て、そのホテル代は会社が負担してたとしても、ハイレベルのホテルを取る会社に勤めているのならば、それなりの給与を取っているはずなのだ。というわけで、誰が支払っているにせよ、出張先がどこかによって、客に対するこちらの扱いは変わる。


僕は常々、勤務先や職業や年収や肩書きで人を区別するのはくだらないと言っている。それは本当にそう思ってる。けどそれは、あくまで人間性とは関係ないよね、という話をしてるのであって、客に関しては区別する。そんなの当たり前だ。チップを弾んでくれる客ならばサービスは当然よくなる。そもそも客に人間性など求めていない。


客はいつまでもどこまでも客なのだ。客の価値とは、金をいくら払ったかで決まる。金は払ったけどルールに違反した人は、すでに客ではない。だから、客である限りは、その価値は金銭で完全に決まる。だから、楽しみたいなら金を使えというシンプルな話なのだ。このこともずっと一貫してこのブログにそう書いてきた。


さて、話を戻すとして、今回の出張先を聞いた時点で、客として信用した。くどいようだけど、人間性として信用したわけではない。それとこれとはまったく次元の違う話。


約束の数日前にテキストが届き、何か事前に知っておきたいことある?などとお客さんの側から聞いてきてくれたのだった。おそらく指名し慣れてる人なのだと思う。


もちろん、本音を言えば、ルールを守ったプレーで料金をきっちり支払ってくれればなんでもいいです、と言いたいところなのだけど、せっかく質問された答えがそれではあまりにも興醒めなので、ほんとは興味など1ミリもないけれど、形ばかりいくつか質問などしてみることにした。


その後、前日になると、


無事にベガス着いた?


的なメッセージをもらったりした。


そして当日も事前に何度かやりとりをしたあと、待ち合わせ場所のロビーに向かった。


ここはガチ目のホテル。ベガスにはエッフェル塔とかロックフェラービルとか、ギャグみたいに派手なものがたくさんあるけれど、このホテルはそうした遊び心というよりは高級感がハンパない。


そのロビーで待っていると、背が高く白い髭を生やした男性が現れた。僕からしたら、ほとんど真上を見上げるに近いくらい背が高かった。彼は、優しくも眼光鋭いのが印象的だった。


そして部屋までの道すがら、エレベーターの中などで、僕のことをいろいろと尋ねた。


僕もできる限り答えた。


ただ、僕はあくまでファンタジーなので、答える内容は、エスコートとしての設定上のプロフィールだ。


だが、そんなことは客も重々承知のはずである。それが真実かどうかを散策するような真似は、あまりにも野暮である。そんな大人は、夜の世界で遊ぶ資格はない。


彼は部屋までの道中、彼自身のことも話してくれた。今回、仕事で来たということ。自分自身の仕事のこと。


お客様のプライバシーはもっとも重要なので、ここにはあまり具体的には書けないけれど、その人の仕事内容などを聞けば、ただならぬお仕事だということは容易に察しがついた。


実際、その人の風格もそれを物語っていたし、その人の話はおそらく真実であろうことは、野性の勘で疑いようがなかった。


こうした商売は、なかなか表立っては見えないけれど、実際に存在するんだなということは、間違いない。そしてそういう人というのは、不思議な包容力があって、貫禄と余裕があって、笑顔が優しい。顔つきは甘くないけれど、人を導くオーラがある。


ボスとは、そういうものだ。