ロングで指名された先は、マンハッタンにある某世界ブランドの有名ホテル


某元大統領が演説会場として使ってたりとか、規模も大きくて、日本人の旅行者もけっこう多い場所


僕も出張で何度か行ったことがあるから、場所もフロントからエレベーターへの導線も把握済み


1階にショッピングフロアもあるから宿泊客以外にも人の出入りは多く、夜の早めの時間帯はカードキーなしでエレベーターも動くから、エスコートボーイ的には使い勝手がいいホテルの一つだと思う


前にも書いたけど、ビジネスホテルは入り口からフロントの距離が近いからエスコート的にはちょっと使いづらいんだよね


必ず止められるってわけではないんだけど、小さなとこだと素通りできない場合があるんよ


これはおそらくだけど、大きいホテルはセキュリティそのものがしっかりしてて、館内に張り巡らされた監視カメラをずっとモニターしてる専用ルームがあって、専属スタッフもいるだろうから、わざわざフロントでスタッフが止めて客に不便な思いさせるよりも、怪しいやつが紛れ込んできたらカメラで確認したセキュリティがやってくるから問題ないんだと思う


一方で安いホテルは、セキュリティにそこまで人員割けないだろうし、怪しい人も紛れ込みやすいだろうから、フロントはそれなりに声掛けをすることになってるんだと思う


そのホテルは規模が大きいところだからフロント素通りは問題ないし、エレベーターもキーなしで上れる時間帯だったから、お客さんの部屋に直接行った。


ドアをノックして、お客さん出てきて、中に招き入れられるやいなや、目の前に表れたのが、50メートルプールが2つくらい入りそうなリビングルームだった


なにここ??


って感じで、このホテル自体は何度か来たことあるけど、こんな部屋あるなんて知らなかった。


規模がデカいからいろんなニーズあるだろうから部屋の種類もたくさんあるんだろうけど、こんな隠し部屋があるんのね


そしてこの仕事をしてなかったら僕なんかたぶん一生この部屋に足を踏み入れることはなかったと思う笑


とはいえ、はたしてこんなに広い部屋が必要なのかという当たり前の疑問も浮かぶ


どんなに金持ちでも、寝るスペースはせいぜいクイーンサイズがキングサイズのベッドが1つあれば十分だし、2人で泊まるならばそれが2つあればいいわけで、


俺すげー金持ちだから寝る場所めっちゃ使うんよーって人間はたぶん地球上に一人もいないだろうし、、ならなんなんだろう。。笑


まぁ、呼んでもらう側のエスコートとしてはショボイ部屋よりはちゃんとした部屋のほうがちゃんと扱われてる感はあってうれしいんだけど、ちゃんとしてるとかを超えて、なにこれ?レベルの部屋だと、そのお客さんがどうとか以前に、一体何のためにこういう部屋が存在するのか?という社会人類学的な疑問に頭が支配されてしまい、眩暈がした。。


東京でもニューヨークでも、マンガ喫茶のような部屋にしか住んでこなかった自分としては、こうした部屋に泊まったり暮らしたりするような世界線で人生を送ってる人ってどんな人なんやろ?って興味が浮かぶけど、


そうか、、この目の前のおじさまがその人なのか。。


と思うと、お客さんの様子をついまじまじと観察してしまうけど、、まぁ至って普通の人。


もちろん、バチっとスーツを着込んだ仕事モードのときは超絶ビジネスマンなのかもしれないけど、僕がお客さんと会うのは、お客さんがオフのときだからね。


逆に言うと、目の前のこの人が仕事をしてるときに会っている仕事関係の人には見せない顔や姿を僕には見せてるんだろうなと思う。


物事にも、そして人にも、表と裏があって、そして側面もあって、そうしたあらゆる面が揃ってはじめてその人の人格は成立しているはずなわけで、だけどそれなりによく知ってるはずの人だったとしても、意外とごく一部の面しか普段は見てなかったりするものだよね。


いわゆる社会的地位のある人というのは、ときに尊敬されたり、ときに批判の矢面に立たされたりしがちだけど、それは人が勝手に尊敬してきたり、ごく一面だけとりあげて逆恨みしてきたりするわけで、


デリバリーの飯も食うし、イビキもかくし、屁もこくし、鼻くそほじるし、実は男の子に掘られるのが好きだったりとか、、社会の表で見せてる顔じゃない部分もたくさん待ってる一人の生き物として眺められるのが、この仕事のやりがいかなとも思う。


別に、人の裏の顔なんて見なくても知らなくてもいいんだけど、そういうのを感じると僕はちょっと興味湧くっていうのは、僕の変態性なのかもしれない。