昨夜も朝まで踊った。


ステージにもいつもより早い時間帯にコールしてもらったから、お客さんは反応もよかったのが感動した。


昨夜はいつもの電車だったんだけど、遅延がいつもよりも少なかったからニューヨークに7時前には着いてしまった。


仕事まで3時間もあるし、雨も降ってたので、ヘルズキッチンにあるゲイバーに寄ってから仕事に行くことにした。


ニューヨークのゲイタウンは主に3ヶ所あって、ひとつがウェストビレッジ、もうひとつがチェルシー、そしてヘルズキッチン。


ウェストビレッジはStonewall Innという歴史的ゲイバーがあり、ニューヨークゲイカルチャーのアイコン的な街。なので、老舗が多い。そしてVillage Vanguardというジャズバーの老舗もあるのがこのあたりの地域。ニューヨークに移住者が訪れはじめた時代の初期に開拓された地域だから、マンハッタンながら道路が碁盤の目状になってない地域なんだよね。そして、パリのような石畳もあって、昼間も夜もとにかく街並みが可愛らしくて美しい。ゲイカルチャー以外にも素敵なレストランやバー、ブティックが立ち並ぶ地域で、ニューヨークの観光名所を挙げれば必ず入る地域だよ。


一方のチェルシーは、ウェストビレッジに隣接しているから、ここら一帯は歩いて回れる範囲にある。


ゲイカルチャーも充実してるんだけど、ゲイバーというよりも、アダルトグッズ店やコミュニティをサポートするアクティビストのオフィスなんかが多いイメージなんだよね。


なので、ウェストビレッジは大人めな遊びスポットなのに対して、チェルシーは政治色がやや強め。


そしてヘルズキッチンは、数十年前まではかなり治安の悪い地域として有名で、むかし公開されたアメリカ映画の『スリーパーズ』の舞台になった地域。


『スリーパーズ』という映画は、実話を元にしたとされていて、幼馴染の男の子4人がホットドッグ屋のカートをいたずらで持ち去ったところ、誤って地下鉄の入り口で落としてしまい、老婆が亡くなる事故になった。そのために少年院に入れられるのだけど、その少年院に男性看守たちによる性的虐待を受けるという話。大人になった彼らはある人はギャングになり、ある人は弁護士になる。。そしてある人は検事になる。。


(あ、この先ネタバレします、、、)





で、彼らは当時の看守たちを恨んでるわけだけど、その主犯格的な元看守をギャングになった元少年がたまたまレストランで鉢合わせし、彼は思わずチャカぶっぱなしで殺害してまうわけよ。


(すいません、、ネタバレ承知で最後まで書いちゃうんで、ネタバレ禁止な方は離脱してください、すいません、、)



で、当然、殺人事件として訴追されるわけだけど、


そこで検事になった元少年が担当して、弁護士になった元少年が弁護するわけよ。


当然ふたりは検事と弁護士だから対抗する関係性なんだけど、バレないようにお互いにタッグを組んでるわけね。


そして裁判の過程で、他の元看守たちを証人として呼び出すことで、あえて過去を自白させて恨みを晴らしてくというストーリー。


マンハッタンって地下鉄は地下を走ってるんだけど、ニューヨークでもマンハッタンを出ると地上に上ってきて高架を走る地域があるんだよね。


そこのガード下は24時間轟音なんだけど、そのガード下のシーンとかマジかっけーのよ。


主演はブラッドピット。その他、名優が勢揃いの名作。。



ただ、残念ながら宗教的な事情による性的少数者に対する無意識な差別的表現があったりとか、そもそも実話とうたってるけど、これがほんとに実話だったらアメリカの司法的にも相当やばいよねっていう事情とかもろもろあって、いまテレビで放送されたりすることはほぼない作品だと思う。話題に上ることもないから、名作ながら問題作として、ちょっとややこしい存在として扱われてる感も否めないよね。


てわけで、公開当時はかなり話題になったけれど、今となってはその名を聞くことはほぼなくなった幻の名作。。



と、長くなったんだけどネタバレはここで終了です。



で、その少年たちが暮らしてたのがヘルズキッチンで、つまり貧しい地域の象徴として描かれてるんだよね。


そんなヘルズキッチンなんだけど、その後再開発が進み、イカしたレストラン街が出来上がったんよ。


なので今では、オシャレでイケイケだけど比較的リーズナブルなレストランが夜遅くまでたくさんやってる。


ニューヨークの夜にお手軽なディナーを食べたいときは、ヘルズキッチンに来れば間違いないよ。


ちなみに、僕的に超オススメなアジアンエスニックレストランがあるのもヘルズキッチン。


ここは、ミシュランとってるんだけど値段は比較的リーズナブルで、タイ料理とかベトナム料理とか中華的なものとかどれも美味しいんだけど、なんと言ってもシャレオツなカクテルも充実してる。カクテルの種類は多くはないんだけど、オリジナルカクテル中心で、見た目でも味でも楽しめるよ。料理はガチで美味い。店内もこじんまりして落ち着いててオシャレ。比較的夜遅くまでやってる。まじおすすめ!


で、話は逸れたんだけど、今となってはそんないい感じのレストラン街なんだけど、ゲイバーも比較的新しい店舗が立ち並んでるんよ。


新しいお店が多いから、客層も比較的若め。ただ、ヘルズキッチンはコテコテのゲイバーというよりは、ゲイフレンドリーな普通のバーが多いから、二丁目みたいなゲイバーを期待していくと、なんだ普通じゃん、、って感じかもしれない。


ただ、そんなヘルズキッチンにあってアイコン的なゲイクラブが道路挟んだ向かい合わせに2軒あるんだけど、ここはガチゲイバーなので、ドラァグショーはほぼ毎晩やってるし、曜日ごとのイベントもあったりして、お客さん巻き込んだカラオケイベントとかやってたり、曜日によってはGoGoもいるから比較的ディープめなんよ。


というわけで、その2軒が僕的には好きなんだけど、


ここでやっと話が戻ってきて、


昨夜は仕事まで3時間もあったので、そのいつものバーに久しぶりに立ち寄ることにしたんよ。


時間帯も早いからカバーチャージもないし、お酒もリーズナブル。


2階建なんだけど、1階は落ち着いたバーカウンター。2階はゴリゴリのダンスフロアでよく客が服脱いでる笑


とりあえず2階でカラオケやってたからお酒を1杯飲んでブラブラしてた。


そしていい時間になったころにお店出て、ウェストビレッジまで歩いて出勤した。


ヘルズキッチンからウェストビレッジまでは、歩いて1時間くらい。だけどマンハッタンは歩いてても景色綺麗だし、なんかいるだけでテンション上がるから、1時間くらい歩くのはぜんぜん苦じゃないんよね。


そしてちょうど東京のウリ専時代の長年のまぶだちと電話してたから気づいたら着いてた。


そんなわけで、昨夜はウォッカしばいてから出勤したから、なんか調子よかった笑


やっぱ、少しでもアルコール仕込んで仕事行ったほうが調子いいみたい。。けど、飲み過ぎはトラブルの元だし筋トレにもよくないし、顔や体がむくんでもいけないから、まぁあんまりよろしくはないよね。適度に、、笑


まぁ、たまにならいいっしょというわけで、昨夜飲んで行ったのは結果的には正解だった。


おかげでステージにコールされたときもテンション全開にできた。


そして、ポールダンスレッスンの成果もそろそろ本番で披露していきたいところだから、昨夜は酔いも手伝ってちょっとポール使った。


そしたらポールダンスの成果かはわからないけど、過去最高のチップ集まったからマジでうれしい。時間帯がよかったせいもあると思うけどね。あと、MCの人が、僕を紹介してくれるときにFrom Japanと言ってくれることが最近多くて、昨夜は日系ペルー人のお客さんがチップくれた。マジでステージでライト浴びながらチップもらうときの感覚はゾワゾワする。。笑


と、同時に毎回反省点もあるし、1曲ってけっこう長いから後半ダレないようにしなきゃとか、お客さん飽きさせないように動きにもっと緩急つけなきゃなぁとか、自分なりの課題はたくさんあるから、一回一回上達していけるように、日々改善してる。新しいフリを必ず1つ以上は入れるようにしてるんだよね。



そんなわけで、昨夜のステージは自分の中ではこれまてで一番感触がよかったんだよね。自分的にもこんなフリ取り入れたら盛り上がるかなぁみたいな頭にあったやつを酒の勢いも借りて披露してみたら反応良かったから、なるほどこれ使えるやんっ!て思った笑


けど、油断はできないので、まだまだ改善と向上の余地ありまくりなので引き続き努力しようと決意してる、、笑


てか、毎回本番でお客さんや他のボーイやボスやマネージャーに見られてるわけだから、緊張感ありまくりなんよ。GoGoパイセンのダンスマジでガチでレベル高いから。



そんなこんなで翌朝4時まで踊り、閉店時刻になったので着替えをしてたところ、カーテンの向こうから顔を出したボスが、僕を呼んだのだった、、、



実は、勤務時間中にお客さんと入室したプライベートスペースで、僕のプレーが過激すぎたらしく、マネージャーに止められるという出来事が昨夜あったのだ、、笑


簡単に説明すると、ダンスフロアの奥にさらにいかがわしいエリアがあって、そこは仕切られたちょっとしたプライベートな空間になってるんよ。


けど、扉はないし完全個室ってわけじゃなくて、もちろん法律的な問題で本番は絶対ダメなわけよ。なので建前上はプライベートダンススペースなんだけど、本番はダメだとしてもどこまでならOKかとか正直あいまいやん、、笑


そこで、マネージャーに止められたので焦った。。笑



で、そのときはそのままことなきをえたんだけど、


それがあってからの閉店後のボスからの呼び出しだったから、


うわーこれヤバいやつやん、、


って正直思ったのよ笑


アメリカってマジで突然クビになるから、、


クビだわー、、、と笑



すると、ソファーに座ってるボスと、リラックスしてるDJさんとか別のマネージャーさんとかがくつろいでいた。


着替えを終えた僕がボスの隣に座ると、、


おー、よーきたな、、


みたいなマフィアのボスさながらの貫禄で迎えてくれたのでソファーの隣に座ると、、


Good newsだよ


と言われ、、


なんか知らんけど、、カンパニーのGoGoダンサーのゴールドメンバーという謎カードを渡されたのだった。。



マジで最初よく意味わからなかったんだけど、、


そこにいた他のスタッフの人たちも、


おめでとう!


みたいな感じだったから、マジで感動して号泣しそうになったから全員とハグして、ボスには、


このチームを愛してます


と伝えた。


ほんと泣きそうだった。マジみんな愛してる。てかほんと全員いい人ばかり。。


しかも今夜はステージの手応えありながらも、プライベートスペースでの軽いやらかしもあったもんだから、そこからの最後のサプライズでマジで勝手にドラマ感じた。。





で、ひとしきり感謝と決意を伝え、そこからの流れであれなんだけどと僕は切り出したのは、、


実は来週から日本に一時帰国することになってたので、


しばらく休みまーす、、、


みたいなこと伝えたので、ズコーって話なんだけど、そこにいた一人が、


日本行くならバナナキットカット買ってきてくれ


って言ってたから、お土産に買ってこようと思う。


ジョークかと思ったんだけど、


お金払うから買ってきてほしい


と言われたから、けっこうガチらしい。。笑


バナナキットカットって、チャイナタウンあたり行けば売ってそうな気もするんだけど。



そして最後に、


すぐ戻ってくるので僕のことを忘れないでね!


と言って抱き合って別れたのだった。。




だから、夜の世界はやめられない。ドラマに満ちている。。




まぁ、今夜も仕事だからまたすぐ会うけどね。


今は帰りの早朝バスの中。

自宅で仮眠をとったら夜にまたニューヨークに戻って出勤する。。



とにかく、カンパニーのみなさんとお客さんに感謝の気持ちが大きすぎて、とにかくショーのクオリティを上げて期待に応えるしかない。