さて、先週末のこと、

うちのアパートは外のインターホンがまだ施工途中のため、Amazonが届かないことがわかりました。


そして、買い物に行こうと車のエンジンをかけると、バッテリーが上がっており、陸の孤島に取り残されることに。


まぁそのおかげで、徒歩圏内のお店などを探したところ、徒歩3分の地点にチャイニーズレストランがあったので、日曜の夕飯はそこでディナーをピックアップした。


ちなみにニューヨーク周辺やコネチカットのテイクアウト用のチャイニーズレストランは、どこに行っても同じ看板デザイン、同じメニュー構成、同じ価格帯、同じ味だ。


おそらくチャイニーズレストランを取り仕切るドンがいて、フランチャイズに加盟することで、看板からメニューからレシピから仕入れまで一貫して面倒を見てくれる代わりに、マージンをガッツリとられるか、店舗の賃貸の肩代わりをしてくれてローンで金利をガッツリとられるか、もしくはその両方という、中国人ネットワークが存在するものと見られる。


もちろんそうしたビジネスはフランチャイジーからすると楽ではないだろうが、資金やコネクションの限られた状態から外国人がアメリカでビジネスを始めようとする場合には、ありがたいネットワークだとは思う。さすが中国人ネットワークは強力だなと思う。まず人数の規模が違うし、主要な都市にはチャイナタウンがだいたいあるし、チャイニーズレストランは無数にある。そして主要な公的機関にはだいたい中国語電話通訳のオプションがある。


一方、日本人コミュニティは極めて弱い。僕個人としてはお仲間同士でつるむことを好まない人間なので、つながりが弱くてぜんぜん構わないのだけれど、アメリカ社会における団体交渉という面では、日本人のプレゼンスは弱いよなという現実は目の当たりにせざるをえない。つまり、日系社会がアメリカ社会に政治的影響を与える力が弱いという危惧だ。もちろん平時なら大した影響はないが、近い未来に社会不安が起きたとき、政治的影響力の弱さがリスクであると言えるから、アメリカの中で小さな日系コミュニティにおんぶに抱っこになっていては、個人的なリスクは増すばかりだと思う。それもあって僕は小さな日本人コミュニティ内でなんとかするのではなく、出自による同質性の高いグループを少しずつ剥がすことで独立性の高い個人としての純粋性を増そうとすることで、個人的な生存リスクを小さくすることができると思っている。これもダイバーシティの考え方だと思う。


つまり、同質性の高いコミュニティで生きることにどっぷりだと、自己アイデンティティの内発要因が減損していき、その結末は、特定のグループ内でははしゃぐけど、グループの外に出ると借りてきた猫になるという内弁慶の完成である。


社会の変化が少ない時代ならば一世代をやり過ごすにはそれで十分だったかもしれないが、現代のようにたった一世代の間で目まぐるしく環境変化する社会では、さまざまなコミュニティやグループに、適度な距離で、良い意味で適当に、あっさりと緩やかに関わることが求められるのだと思う。


少し話は飛躍したが、僕が頭に描いている自分の行動指針はそういうことだ。

孤立するのではないが、共依存関係になってはいけない。


他人やコミュニティの存在に助けられることに対して感謝と尊敬の気持ちは忘れてはならないが、しかし依存してはいけない。


つまり、


「この人がいないと生きていけない!」


とか、


「このグループがないと生きていけない!」


といった関係は、綺麗に言えば「情熱的」であるかもしれないが、端的に言えば「他者依存」である。他者に自分の生殺与奪を握らせるべきではないし、自分が他人の生殺与奪を握ろうとするような奢りがあってはいけないと思う。それは共依存関係なのであって、依存するのも依存させるのも、同じ穴の狢である。


なのでここまでの話をまとめると、アメリカにおける日系社会には中国人コミュニティのような強力なネットワークがないので、「日本人」としてのアメリカ社会に与える影響力は限定的と見られるが、僕個人としてはコミュニティにズブズブになることを好まないので、日系コミュニティが弱いのはむしろ歓迎だよねという話である。



さて、ここからが本題です。笑


というわけで、自宅にAmazonを送ると受け取れない可能性があるので、車のエンジン始動のためのモバイルジャンプスターターは急遽、自宅ではなくAmazonロッカーに配送してもらうことに。


そこで自宅から徒歩圏内のAmazonロッカーを調べたところ、近所にトリニティーカレッジという大学のキャンパスがあって、そのキャンパス中にAmazonロッカーがあるらしいのです。そしてその大学まで徒歩15分と出てきたので、そこに配送してもらうことに。


そして今日の午後、Amazonアプリに配送完了したよというメッセージと、ロッカーを開けるコードが送られてきたので、さっそく歩いてトリニティーカレッジへ向かう。


30度越えの猛暑の中、住宅地を抜けると突然目の前に現れた大学のキャンパス。




綺麗な並木通りを拝むここがキャンパスの入り口ですね。


トリニティーカレッジというのを調べてみたところ、コネチカット州でイェール大学についで歴史のあるリトルアイビーと言われる名門私立大学だそうです。


今は夏休み期間中なのでキャンパス内は芝刈りの人くらいで学生らしき人は誰一人として見かけなかったけれど、とてもよい雰囲気の場所でしたよ。


さて、僕の目的地はAmazonロッカーです。


当初Googleマップで調べたところ、このトリニティーカレッジのキャンパスまで徒歩15分ということだったのでルート通り15分歩いてたどり着いたのですが、Amazonロッカーらしきものは見当たらない。



こんな可愛らしい大学施設が点在したり




こんな爽やかな木漏れ日を浴びたり、



普通の閑静な住宅街の風情ですが、ここはトリニティーカレッジのキャンパス内です。



入り口周辺を歩いても事務所らしきものはないし、もう一度Amazonロッカーを検索すると、キャンパスのちょうど真反対くらいにロッカーがあるらしいのです。


そこまでさらに徒歩15分。


せっかくなので目的を追加して、キャンパスを散策します。




左奥に見える王冠のような建物がランドマークのひとつらしいです。




さらに左奥の建物の先にトリニティーカレッジの名所である時計台があります。




そしてハリーポッターに出てきそうな建物があり、



この廊下の向こうに大隈重信像みたいのがあり、


そこからさらに散策すること数分。


ついにAmazonロッカーを発見しました。




オフィス内にでもあるのかと思ったら、炎天下に堂々の雨ざらし。無言でそこに立ち続ける孤高のAmazonロッカーに畏怖を覚えます。


侵入してよいのかいまいち自信がないが、左右の鉄格子を突破し、孤高のロッカーに少しずつ近づく。





足音を立てると孤高のロッカーの目を覚ましてしまうかもしれないので、忍足で近づく。



そして画面にキーを入力し、




無事にパッケージをゲット。


ここから炎天下を30分、自宅まで歩いて帰った。思いがけず訪れたトリニティーカレッジだったけれど、それはそれは落ち着いた雰囲気で気持ちがよく、帰宅途中の住宅街もこの街を車じゃなくてまともに歩くのは初めてだったので、とても興味深かったし、僕のハートフォード愛はもう止まらない。笑



そして帰宅してバッテリーを充電し、ジャンプスタートを試みたところあっさりエンジンがかかり、Amazonでたった$40で購入したポケットサイズのジャンプスターターにマジで感謝。

これでロードサービス呼ぶたびに1回$80〜90チャリン乙の無限輪廻から解放されたのだ。


せっかくエンジンがかかったので、そのままStewLeonard’sへ。



ニューヨークにある店舗より格段に敷地面積が広く、店内は解放的でほぼUSJ来てるようなテーマパーク感だった。


(USJ行ったことないけど。笑)



アメリカで生活していると毎日のようにプチトラブルがつきものだが、そうした地味なトラブルをひとつひとつ解決していくクエスト感が海外生活の最大の醍醐味だと思う。笑


今日もまた、ハートフォード愛とアメリカ愛が深まる1日だった。



ちなみにその神ジャンプスターターこちら。



(手前のバドワイザーはサイズ比較のための参考です。)