今日が雨・・・かなり土砂降りに近い。


昨日からの胃痛が会社に出勤する気持ちを削ぐ。

会社に行きたくない病が大きく私を支配して止まない朝、胃薬を飲んで痛みが遠のくのを息をつめて待つ。


窓の外は雨・・・・。それだけでも憂鬱である。

息をつめて、痛みをこらえて、化粧をしている間に、スウウ・・・と痛みが引いてきた。


雨カッパを着て傘をさしてのチャリ出勤・・・・。ズボンの膝から下は、どうしても濡れてしまう。

思いっきりペダルをこぐ。息が切れる・・・。

目深にかぶった帽子のツバの向こうをにらめつける様に、まっすぐに前ばかり見てペダルをこぐ。


今の我が家の財政状態を思えば、相方の収入だけではどうしても、しのげない。

今の会社で、働かざるを得ないのだ。判っている・・・。判っているだけに身動きがとれず苦しい。


思えば役職を自分の意志で降りた時点で、辞めるべきだった。

自分からリタイアすると云うことは、つまりそういうことなのだ。

時を逸し、しがらみだけが残った。

今の自分の立場を思う。現実、周りから見たら・・・。窓際もいいところなんだろう。

それでも自分が女であることに、甘えたり、逃げたりして、面の皮を厚くして居るしかないんだ。


この年になれば今の収入を維持して再就職は至難の業。

判っている・・・。

みんな、判っている・・・。


会社に着くとそれなりに時間は過ぎていく。慣れた仕事に無意識の中で淡々と事が運んでいく。

いつものように・・・。何の変化もなく・・・。黙々・・・と淡々・・・と、寡黙に表情一つ変えずに、日々やり過ごせばいいのだ。

それでいいのだ・・・。


そう自分に言い聞かせながら、仕事の図面を片手に会社の構内を傘を差して、一人歩く。


深~いため息ひとつ・・・・


傘を傾け・・・暗い、重たい雨の空を仰ぎ見ていた。