2番目musumeのFっチャンは上musumeの3年後の5月15日(上musumeと誕生日が1週間違い)に生まれた。2946グラム。上の子に比べるものだから、廻りの大人たちは、小さくて心配した。

お腹にいるときから元気がよくて、お腹でよく動いてそのせいか逆子だった。妊婦の間、逆子を直す体操をやらされたが直らなかった。田植え最中で産休中も苗運びとかしていたので子宮口が開いてしまい定期健診で、即入院となった。

入院したら、ゆっくり休めたお陰で子宮口の開きも治まった。逆子という事もあり、予定日にも近かったこともあり、陣痛を誘発する点滴をして生む事になった。その誘発の点滴がクセモノで、ズ~・・・・と陣痛が続くようなものであるからして苦しくてしょうがない。一日中苦しんで、子宮口を開きやすくする注射をしたり、風船を突っ込まれたりで、それでも逆子が治る様子も無く、お尻から出てくるようであれば普通分娩でも何とかなるが、足から出てくるようで出てきそうなのをまた戻されたりで・・・上手く生まれる様子が無く、「今日はこれで止めて明日また朝から始めましょう。」といわれた時には、本当にもうぐったりだった。

病室へ一人で戻る時、悔しくて情けなくて・・・・・。病室に戻ると実家の母が一日待っててくれてて、ベッドの脇でのんきにうたた寝をしていたが、私が戻ったのに気づくなり、私がよっぽど情け無い顔をしていたらしく「大丈夫か・・・」と云ってくれた。その言葉で私は堰を切ったように、ボロボロと泣いていた。

明日もこの思いをしなければならないかと思うと、ちょっと自信が無かった。その夜は、睡眠薬をもらったお陰でぐっすり眠れた。次の朝、あんなに気持ちよく熟睡して目覚めた事が後にも先にも無いくらい、いい目覚めだった。

朝、義理の父母と相方が激励に来てくれて義理の母がどこかの神社か神頼みのお札と稲穂を貰ってきてくれて、寝巻きの懐に入れてくれた。稲穂に付いた殻の付いた米をむしり取って”食え!これで大丈夫、生まれるから・・・がんばれ!!”と云ってくれた。厳しいが暖かい心を持った人たちだ・・・と、その時、思った。

「午前中でダメなら午後帝王切開で生みましょう」といわれた。午前中だけなら頑張れるかもしれないと、籾殻の米をかみ締めながら、分娩室に向かった事を覚えている。

その日は副院長が来てくれての出産であった。本当にああいう場合、医師の自信に満ちたオーラと云うか、言葉というか、判断というか、行動というかで・・・、どんなに患者が力づけられたり、頑張れる力をもらったり、予想以上に上手くいくかが決まってくるのではないかと思えた。

それまでどうしても上手くお尻から出てくる様子が無かったのに、(偶然かもしれないが)その先生が来てくれて、午前11時30分に膝を抱えた体育座りのような格好で足とお尻と一緒に出てきてくれた。本当にその時はすんなりと・・・。お陰で帝王切開は免れた。

「女の子です・・・」と云われた時には、こんなに大変な思いをして、またmusumeか・・・と思ったが、生まれたばかりのオールヌードのFっチャンが目の前にチョコンとお座りさせられて、ウインクした(ように見えた・・・)時にはマジ、可愛い!!と思った。天然パーマの髪と真ん丸顔で本当に可愛いかった・・・。神様に”可愛い子を授けたんだから女の子でも我慢しな・・・”といわれているような気がした。

Fっチャンはホントに母乳のみで頑張った。上musumeがミルクと混合で太ったという事も気にしていたので出ない母乳を寝るのも惜しんで搾って冷凍した。お昼も会社から戻って授乳した。Fっチャンは夜鳴きもする子だったので本当に寝る暇が無かった。夜鳴きが長引く夜は相方と1時間づつ交代で揺すって、交代で寝たりした。

3年保育の幼稚園に行くようになると本好きの私の影響か絵本を読むのが好きで字も早くから書けたので幼稚園のうちから私と交換日記をしていた。お友達も多くて、何でも自分の事は自分でやれる子だったので本当に手のかからない子だった。弟が生まれて、幼稚園が一緒になってもよく面倒を見てくれて先生にも、ほめられた。

然し本人にとっては重荷になっていた事だろう。顔は相方のコピーに近いが、私とは性格とか一番よく似ていると感じる。第2子の性格なんだろうか。だから波長は合うのかも知れないのだが、いろんな葛藤もなんとなく、分かる気がする。


何の問題も無く中学は陸上部、高校は合唱部で過ごした。

今は山形で大学2年をやっている。

大学は第一希望の国公立は落ちてしまって私立になったが好きな事を学べてエンジョイしている様子。

私立でお金がかかるのを気にして切り詰めた生活をしてくれている、しっかり者である。

こちらの生活も大変なのであるが、好きな事を学ぶ事が出来る今の時代を羨ましいと思う。


たまに帰ってくると、よく私の手伝いをしてくれる。

そしてそんな中で、いろんな話をしてくれる。最近、学んだ事、読んだ本の事、映画の事、バイトの事、彼氏の事・・・云々。


子供たちが素直に育ってくれて、その事が私の数少ない幸せのひとつなのかもしれないとこの頃つくづく思う。