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久美ちゃんのめがね日記

静岡県御殿場市・小山町
ヱビスLLCのブログです。
http://www.yebisu.org/

嫁に来て間もなくのことです。

製本の手作業を手伝いながら

リーダー格のおばちゃんに

作業のことで質問すると
  
「おみぁーは盾突くのか!」という返事がきました。                     ※おみぁー  おまえの方言

私の尋ね方が感じ悪かったのでしょうが、

昔の人、特に職人さんに質問するとざっとこんな感じでした。

あれから40年。(綾小路きみまろ風に)

誰かに何かを尋ねて怒られることは無くなってきました。なぜなら、

私が空気の読み方を覚えたせいもあります。

質問を投げ掛ける相手の年齢が

私より若くなってきたことも。

講演会や説明会などでは

相手の方から「質問してください。」と言われ

質問すると喜ばれます。

良い時代になりました。
最近は、ちょっとした病院へ行くと待合室や受付のところに

「ご意見箱」が置いてあります。

「こんなの書く人いるのかしら」

と長いこと思っていましたが、ある時、書かずにはいられないことがありました。

書いてみて気づいたこと。

①受付の人がいる前で書くのは気まずい。

②怒りながら書くので字が汚い。

③怒りながら書くので字が大きくなってしまう。

④怒りながら書くので文章がへたくそ。

⑤受付の人がいるので投函するのも気まずい。

廊下にご意見箱の中のご意見(主にクレーム)が張り出されています。

今までは

「みんなもっときれいにわかりやすく書けばいいのに。」

と思っていました。

自分が書いてみたらきれいにわかりやすく書けないことがよくわかりました。

6~7年前から使っている電子レンジが

スイッチを入れた途端にブレーカーが落ちてしまいました。

購入先の電気工事屋さんに診てもらうと、

「メーカーに修理に来させます。」ということなので

お願いすることにしました。

次の日

メーカーから来た修理の人は

内部を診てこう言いました。

「インバーターが壊れているので4~5万円掛かります。」

「えっ5万円?・・・・・・どうしよう・・・・・・」

私が考えていると、彼は言いました。

「5万円じゃあ、この電子レンジは買えませんよ。」

「・・・・・・・・・」 

当たり前だ。

「この電子レンジは、当時うちの会社で出した製品の中で1番良いクラスのものです。」

「・・・・・・・・・」 

知っている。

「家電は主人に決定権があって私には決められないのでぇ」と、ぐずぐずしたら

「奥さん、この手の電子レンジを買うお宅には2種類あるんです。」

「・・・・・・・・・・」

「1つは、本当に料理に毎日使ってくれるおうち。
 
 もう1つは、お金持ちのお宅が電子レンジを買うときに『何でもいいから一番良いやつをくれ』と言うんです。」

たぶん、その話の続きは

「ご主人が家電を選ばれるお宅は後者が多いのです。」に違いない。

私は彼を黙らせようと早口で言いました。

「うちは大人数なんで毎日使ってますけどね、とにかく、私一人では決められないので

 主人と相談して決めます。あっ、今、電話します。」

即、「保留!」との答えが返ってきました。

「保留にします。」

「えっ、保留?」

「はい保留で」

「保留って・・・・・・・・」

洗って伏せてあったお椀を拭きながら私はもう一度言いました。

「返事はすぐにできないので保留にします。」

「・・・・・・・保留と言われてもねぇ・・・・・」

修理のおっさんは苦笑いを浮かべて何度も「保留って・・・・」と言っています。

わたしは、

大皿をキッチンカウンターに

「ドンッ」と投げるように置きながら言いました。

「5万円て大金ですよ。」

この人のような「この手の電子レンジを買うお宅には」といいきる何の足しにもならない話を

ぺらつかせる人間て、奥さんの了承なしに5万円の買い物するのだろうか。

しないだろうな。

おっさんの顔を見ながらそんなことを考えていると

「じゃ、じゃあ、修理はえ~と、

修理は1回止す、ということにしますね」

おっさんは忙しく工具類を片付けるとそそくさ帰っていきました。

私は「よっこらしょ」と

電子レンジを棚から退かしました。

重圧な電子レンジが置いてあった場所がぽかっと空いて、

そこにスース―した春風が吹き抜けました。


親戚のSさんちのお嫁さん

( 嫁と言っても、再来年は還暦 )

と、ばったり会った時、

「 おばあちゃんを家で看てるんだって?」と言ったら

そこから30分、彼女の愚痴が止まらなくなりました。

ひと段落ついた時、

私は提案してみました。

「 今しゃべった事を手紙にして旦那とその兄弟たちに送って、

家を出て、貯金と車を持ってうちの2階に住めばいい。」

この案はすぐに却下され

彼女は「還暦まで頑張るよ」と言うと、笑顔で立ち去りました。


数日後、TVで「男脳と女脳の違い」

という内容の番組をぼんやり眺めていて私はふと気が付きました。

「男は結論を求め、女は過程における共感を求める」

これだ!

「あなたは置き手紙をして家から出るべきだ。」

と結論を言わずに

彼女の話に頷きながら

「わかるわかる~」と言っていればよかったのだ。

これからはそうしよう。

そして再来年の彼女の還暦を楽しみに待とう、と思いました。



主人と

ちょっとした言い争いをした時

「この部屋から出て行け」と言われました。

「この部屋」と、言ってくれたので

助かりました。