(つづき1)


「ことぶき大学」での阿部さんの講義の時、渡された資料の中に興味を引く記述があったので引用する。


世界遺産化を目指している「四国遍路」。

弘法大師信仰に基づき、地域社会と共存し、四国全域に広がる88ヶ所の札所寺院を巡る全長1,400kmの壮大な四国遍路文化は、それを支える地域の支援もあわせ、数百年にわたり確実に継承されており、各地に歴史的継承性を示す文化的資産が残る。


ということで遺産化を目指しているが、類似資産との比較がしてあった。


①、2004年、日本で登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」

紀伊山地への参詣は、高野山・熊野本宮という限定された拠点霊場への参詣。

*四国遍路は四国内に広がる88ヶ所の札所を巡るループ状の遍路であり、江戸時代以降に確立し、弘法大師信仰に基づいた一般民衆による霊場巡拝。


②、1993年スペイン、1998年フランスで登録された「サンチィアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」

キリスト教3大聖地の一つであるサンチィアゴへの巡礼は、レコンキスタと呼ばれる政治的・軍事的色彩も持つ。サンチィアゴへの一極集中型の参詣。

*四国遍路は純粋に一般民衆によって行なわれた88ヶ所寺院を巡る霊場巡拝。


(つづく)