今日の“今治ことぶき大学”は、
「酒と風土~南アフリカのケープワインを中心として~」の演題で、愛媛大学の寺谷亮司教授が講演された。
ケープタウン周辺で生産されるケープワインは、独自ブドウ品種「ピノタージュ」を原料として、高品質で値段が安いワインとして注目されている。
酒は産地の風土に影響されやすい。ケープタウン周辺の緯度は南北の違いはあるが松山市と同じだ。が地中海性気候で松山市よりはるかに夏涼しく、冬暖かい。
またケープタウン周辺には黒人は少なく、白人が容易に移住してブドウを栽培しワインを醸造できた。
教授は何故か“KWV”というワインをさかんに勧めていた。
南アフリカ共和国といえばアパルトヘイトのことに触れねばならない。
現在、全人口4、400万人のうちの約10%の少数の白人(英系、蘭系)が事実上支配し、アジア人、カラード(混血)、黒人(南下してきた)を隔離した。
原住民は、サン(ブッシュマン)、コイ(ホッテントット)で狩猟採集民であり黒人ではなかった。
アパルトヘイトは基本的には、17世紀オランダ、次いでイギリスが移住し始めた頃に始まる。
それ以来の民族間経済格差・居住地域分離は今も続いている。
日本人は「名誉白人」として、特別扱いされている。
ケープタウンではカラードが住民の過半数を占め、大都市のなかでは治安が比較的良好だが、昼間でも強盗に襲われる可能性はあり、原則として公共交通は利用できない。
来年のワールドカップ大会開催予定は、治安の悪さ・電力不足・準備の遅れなどで開催は難しいのではないか、と教授は言われる。