6月6日付毎日新聞の“ひと人・えひめ”欄で、橙黄会代表・大亀藤英が取り上げられました。


観世流能楽師・あす「今治能」を公演  

“無心に継続を目指す”とのタイトルで紹介されていました。

以下毎日新聞より


~能を始めたきっかけを教えてください。

商家に嫁いで、義母に習い事を勧められたのがきっかけです。「商人の家の嫁やったら皆に可愛がってもらうことが大事。そのために習い事を……」ということらしいです。当時、今治には長唄や三味線といったさまざまな愛好家のグループがありました。もちろん、能も盛んでしたので、私は能を構成する一部である謡曲を習うことになりました。


~能楽師にまでなった理由は。

30年以上前ですが、当時の師匠に「もっとうまくなろうと思ったら、玄人と同じ板の上に座らなければいかん」と言われたことがきっかけです。能は、プロとアマチュアのレベルの差が、はっきりとしています。私はもっと上達したかったので、「師範」の資格を取りました。


~能の魅力はどこにありますか。

俳句のように、無駄をそぎ落とした美しさでしょうか。舞台には幕もない。能は、謡曲、仕舞、囃子といった完全な分業制の中で、それぞれの役割を極限まで磨き上げます。演じる方も、見る方も常に真剣勝負のようなところがありますが、その研ぎ澄まされた雰囲気が魅力と言えます。


~今治で、能を演じるようになった理由は。

私を含め、女性だけの能楽師集団「関西観世花の会」が、今治で公演したことがきっかけです。反響が大きく、会の中で「定期的にやるべきよ」とアドバイスをもらいました。市役所の協力も得て、07年には1回目の今治能を演じることができました。


~今後の課題、展望を教えてください。

「3回もやって軌道に乗ったでしょう」といわれますがとんでもない。荒地を耕している段階です。今は、無心に継続していくことを目指しています。今治能は、プロの能楽師が本物の能を見せます。ぜひとも、大勢の人に見てもらって、今治能を、この地に根付かせたいのです。

以上