「断腸の思い」酒井法子解雇でCM損害は5億円にも

夕刊フジ [8/29]



「断腸の思い」-。覚せい剤取締法違反で所属タレント、酒井法子被告が起訴された28日、サンミュージックの相澤正久社長が会見し、同日付で解雇したことを発表した。

また、所属レコード会社のビクターエンターテインメントも同日、契約を解除した。解雇後もプロダクションに重くのしかかるのは、酒井被告を起用したスポンサーへの違約金。損害額は約5億円ともいわれるだけに深刻だ。


【黒塗りの名刺】

相澤社長は「23年という長い年月、頑張って参りましたが、反社会的行為は決して許されるものではない。断腸の思いだが、解雇という結論に達した」と頭を下げた。

酒井被告の育ての親である先代の相澤秀禎会長も「廃人になる前に自分のことをよく考え、更生してほしい」と語った。



裏切られてもなお、プロダクションとして酒井被告を思いやる気持ちをにじませたが、現場の社員は複雑な表情だ。

「他のタレントへの悪影響や、酒井が請け負った仕事の違約金が心配」と語るある社員。所属タレントの名前が書かれた名刺の裏。酒井被告の名前を既に黒塗りした。

広告代理店関係者が損害額を見積もる。

「酒井が担当したトヨタ自動車やノーシンなどのCM関連の損害額は直接経費でも5億円は下らない。
代案に自社タレントをタダか格安で使えるよう提案しても、そのタレントだって大変」


【復帰はあるのか】

酒井被告の復帰については「手を差し伸べる気持ちはない」(会長)、「まずは深く反省するべき。下手に差し伸べてはいけない」(社長)と突き放した。



それでも、芸能界では、ほとぼりが冷めたころに復帰するのが通例だ。芸能評論家の肥留間正明氏はこう話す。

「80年代から90年代、芸能界の謹慎期間は『大麻半年、覚醒剤1年』といわれた。長渕剛、清水健太郎、槇原敬之、田代まさしらは、複数回やっても復帰している」

もっとも、業界内では酒井被告の場合、復帰はかなり難しいと見る向きが多い。「クスリだけでなく、“シャブ抜き逃走”のイメージがあまりに強烈。中小のプロダクションでも引き取り手はないだろう」(プロダクション関係者)。



【防ぎようがない】

夫の供述から4年前から覚醒剤を常習していたとされる酒井被告。なぜ気づかなかったのか。会見ではプロダクション側の監督責任を追及する声も相次いだ。


「7月に社長と僕(と酒井被告)でブログの写真を撮った際、ずいぶん痩せてるなと感じた。まさかクスリだったとは」と会長。社長は「六本木の店に出入りしているうわさは聞いていた」としつつ、「家に上がり込んでまでチェックはできない」と本音を漏らした。

六本木の事情通が、こう明かす。

「会見を見て多くのプロダクション関係者はヒヤヒヤしながら『ウチじゃなくて良かった…』と胸をなでおろしたはずだ。

大ヒット映画で名の知れた女優や男性アイドルグループの一員など、のりピー夫婦の出入りしていた店でクスリに溺れているタレントを何人も知っている」

果たして一罰百戒になるのか、トカゲのしっぽ切りに終わるのか-。