宮古からの風に乗って・・・ | ♪tamla beats♪'s room

宮古からの風に乗って・・・

最近、浄土ヶ浜からの香りが私の周りに立ち込めている・・・。

昨朝、母から、一冊の本を手渡された。

岩手県・宮古出身(本田竹広氏の出身地)のベーシスト畠山氏のお母様が執筆された実体験短編小説「ばぁーばが子供だった頃」が連載されているジブリの小冊子だ。


ばぁーば

ばぁーばというのは、宮古在住の畠山氏のお母様で、幼少期の経験を綴って、宮崎駿に是非映画化して欲しいとジブリに送ったところ、映画化は難しかったが、ジブリが発行しているフリーペーパーで紹介されることになったということだった。

Mixiでその本の存在を知った母が、何やら一苦労して手に入れてきて大層感動して、出掛けの私に電車で読むようにと差し出した。

早速、打ち合わせに向かう電車の中で読む。

現在65歳である著者ばぁーばは、私の父と同い年。戦後の厳しい時代、岩手の小さな村でのばぁーばの家族の物語。その当時、致命的であった結核や肺病が、次々とばぁーばの家族を襲い、ばぁーばの叔父に始まり、看病をしていた母親、姉、兄が次々と命を奪われてしまう。

残された父親とばぁーばを含めた3姉妹は、病気が移ると村八分にされ、貧しさと悲しみの中で助け合って生きていく様子が、岩手の小さな村の情景と共に美しく描かれている。

私は一度本田さんに連れて行ってもらった宮古の浄土ヶ浜の潮風を思い出しながら、たった数十年前に現実であった余りにも悲しくて、美し過ぎる物語に涙が止まらなくなった。電車で読むものではない・・・。

今日は、いじめなど辛いことがあるといとも簡単に死を考え、自殺をしてしまう人が急増している世の中。そんな世の中にあって、貧しくても悲しくても生きることの意味をばぁーばは伝えたかったんだろう。もっといろんな人に読んでもらいたいなぁ・・・。

そして、今朝、会社に来たら、宮古在住の本田氏のお母様が良く送ってくださる宮古名物の“いかせんべい”が、お菓子置き場に置かれていた。


いかせんべい

いかの風味がするパリッパリのそのお菓子を、本田氏が亡くなったあと、涙の塩味がまざりながらパリパリ食べたっけ・・・。それにしても、かなりローカルなお菓子が何故にここに・・・。

何だか、やっぱり今月は、本田氏の一周忌月なんだなぁ・・・とつくづく思う。