巨星達が残してくれたもの
追悼ネタ、しつこいようですが、余りにも近辺でこの世を去った偉人達が残してくれた数々の美しい遺産に心を動かされっぱなしなので、もう少しお付き合い下さい。
今年からラジオ制作の現場に潜入し始めたtbですが、最近追悼ネタが多いです。ですが追悼ネタの中からtbは、改めて逝ってしまった人々の魅力を確認しています。
その中から、幾つか素晴らしいトリビュート・チューンを紹介したいと思います。
まずは、昨年末、12月30日の放送のMODAISTA
(J-WAVE)でオンエアされた曲から・・・
James Brown 「Sunny」
- James Brown
- Gettin' Down to It
放送で掛かったとき、涙がチョチョ切れました!tbが持っているJBのアルバムは、所謂ちょっとお下劣JB節ブリッブリな作品ばっかりだったので、余りにも美しく豊潤なピアノトリオで高らかに「Sunny」を歌い上げるJBに完全ノックアウトされました!即、ディレクターにアルバム名を聞いて購入!この曲が1曲目に収録されているアルバム『getting’ down to it』は、JBが、まだ短髪で爽やか(!?)だった頃(1968年から1969年)にオハイオ州のキングスタジオで録音された作品です。以来、毎日の通勤でヘビロテ中ですが、何回聴いても感動して痺れまくって、スウィングせずにいられないので、相当朝っぱらから危ない奴です。
1曲目の「Sunny」では、Marva Whitny(まだ現役!昨年は、オーサカモノレール
との共演で初来日していたそうです!)という素晴らしいヴォーカリストがJBとのデュエットでフィーチャーされているのと、数曲ギターが入っているのを除いて、基本は、ピアノトリオにJBのボーカルという極々シンプルな構成です。JBのバックバンドではお馴染みのホーン隊もコーラスも、Funkには欠かせないオルガン・サウンドも入っていませんが、私はこのアルバムを、私が知る限りのファンクの帝王JBが生んだ作品のBESTアルバムに選びたい!
JBが20世紀の“King of Black American Musicians”であることを早くも決定付けていた作品ではないかと思います。20世紀の歴史の中で、最高に悲劇的な史実が皮肉にも生み出した最高に画期的で美しい文化遺産が、Bluesであり、Jazzであり、Funkであり、R&Bであり、Soulであり、Rockn’ Rollであるならば、この作品はそのシンボルと言えるでしょう!
JBのアルバムでは珍しく自身の曲は2曲しか入っていません。一発目のジャジーなデュエットで高らかに歌い上げる「Sunny」から、スローブルース、バラード、美しいスタンダードの数々が、まだ若々しい声のJB節でジリジリと痺れさせてくれます。特に私の胸にキュンキュン来たのは、3曲目の「Strangers in the Night」。シナトラの歌で有名なこの曲ですが、いやぁ~JB切ない~!
涙をウルウルさせてると、5曲目では、待ってました!と言わんばかりに自作「Cold Sweat」で元祖JBのファンキー・シャウトも全開!これが凄い!ピアノトリオがバックなのに、全く同じレベルでブリッブリのファンキー・グルーヴなんです!歌ものでもセットの最後はインストというのは、ジャズのライブではお馴染みですが、このアルバムもLPではA面とB面の最後は、軽快なピアノトリオのインスト曲が収録されています。そして後半(B面)は、これまたシナトラで有名な「Chicago」で始まり、「For Sentimental Reasons」「Time After Time」「All the way」という、しっとりしたラブバラードが再び涙を誘発します。
これを聴かずにブラック・ミュージックを語っていた自分自身が恥ずかしい!!!御免なさいっ!!!未聴の人は、MUSTですっ!!!
次に、ピーター・バラカン氏が本日の早朝7:30amから放送している「Morning Sunshine
」で紹介した曲で、先週亡くなられたマイケル・ブレッカー氏を偲んで。
ジョニ・ミッチェルの名ライブ盤『Shadows and Light』から「Heija」
- Joni Mitchell
- Shadows and Light
- コロムビアミュージックエンタテインメント
- シャドウズ・アンド・ライト[完全版]
tbのマイミクさんに早起きが得意な人は、あまりいなそうですが・・・無理を承知で。是非、皆様、土曜日の早朝7:30amから放送しているこの「Morning Sunshine」聴いてみていただきたい!
“早起きは三文の徳”、私は大嫌いな言葉ですけど、この番組を知った時には納得できました。とにかく勉強になります!博学なバラカン先生の選ぶチューンは幅広く、また解説にうなさられます!知っている曲でも、バラカンさんの曲解の視点、切り口が斬新です。「へぇ~」とか「なるほどぉ~」と放送中何度口にしてしまうことか・・・。あまりにも渋い選曲で、「朝から電気マイルスかよぉ~。」と苦笑してしまったこともありましたけど・・・。男性諸君、モテたいならご一聴あれ!嫁入り前の娘には微妙にお勧めしませんけど・・・。tbみたいなオタク女になり、嫁入りが遠のきますから・・・。
最後に、これは番組では紹介されていませんが、tbが個人的に、最近改めて感動したアルバム。
- Ramsey Lewis
- Another Voyage
本田竹広氏を偲んで、春よ来いのマスターと話をしていたとき、マスターが「本田さんを聞いてるとさ、どうしてもラムゼイ・ルイスとかぶるんだよね。」と言っていました。
tbがラムゼイの作品で聞いた事のあったのが、よくクラブDJネタに使われる『SUN GODDESS』だけだったんで、
- Ramsey Lewis
- Sun Goddess
(そうかなぁ・・・。ネイティブサン・サウンドと似てるということなのかもしれないけど、良くわからないなぁ)と思っていました。で、先週レコード屋で、たまたまラムゼイ・ルイス・トリオの『Another Voyage』を見つけたので即購入。
これが素晴らしい!なるほどマスターの言わんとしていた事、バッチリ分かりました!確かにこのトリオ、本田竹広・米木康志、本田珠也のゴールデン・トリオと類似してます!どっちがどっちみたいっていう事ではなくて、フィーリングがイイ感じで同じ!
ラムゼイが好きな方には本田サウンドを聞いてみて欲しいし、本田サウンドが好きな人でまだこのアルバム未聴なかたには、是非聞いてみて欲しいですね!
てな感じで、最近、tbが改めて感慨深く聴いている音源をご紹介致しましたぁ~。もう、脱オタクとか言ってないで、この道を究めるしか無くなって来た感じですぅ・・・。