毎日新聞の24、25日の全国世論調査で、内閣支持と不支持が逆転したことは、国民的人気が「支持基盤」とされた安倍晋三首相の政権運営に暗雲が漂い始めたことを示している。閣僚が足を引っ張り、その閣僚を首相が守ることで支持率が低下するという悪循環。政権浮揚策が見当たらない状況が続けば、早期の内閣改造を求める声が再び勢いを増す可能性がある。統一地方選、参院選に向け、首相は難しいかじ取りを強いられそうだ。【鬼木浩文、宮下正己】
◇「柳沢発言」対応に批判
「柳沢伯夫厚生労働相の『産む機械』発言は、政権にとってノドに刺さったトゲだ。いつか辞めさせなければいけない」
首相の出身派閥の自民党町村派幹部は25日、逆転という結果を受け、柳沢厚労相を残留させた首相の対応を批判した。
世論が支持率続落の要因に挙げたトップも「閣僚の相次ぐ失言」。さらに、柳沢厚労相を「辞めさせるべきだった」との回答が59%で、内閣不支持層に限っては81%に上った。与党内に強かった更迭論を拒否した首相の対応が、支持率下落傾向に拍車をかけたことがうかがえた。
一方、不支持理由では「首相の指導力に期待できないから」がどんどん増えており、自民党内からは「指導力不足は党内掌握にも当てはまる」との指摘が出ている。山崎拓前副総裁は、中川秀直幹事長が閣僚に首相への忠誠心を求めたことを取り上げ、「かえって首相に敬意が払われていないということを世間に知らせてしまうことになった」と語った。
「他人の意見に従って不承不承やり、支持率を下げたのでは悔いが残る。しかし、自分の思い通りにやり、その結果支持率が下がっても自己責任だというのが、今の首相の気持ちだ」
支持率続落の中、首相周辺が代弁する。首相が23日、郵政造反落選組の衛藤晟一氏(参院比例代表への転身を希望)の復党を容認する意向を表明したのは、その象徴的なケースなのだろう。
次は誰?