プレジデントの特集「いい社員、お荷物社員」を読んで | ソフィアの森の「人生は、エンタテインメントだ!」

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音楽が好きで、映画が好きで始めたブログですが、広告会社退職後「ビジネスの教訓は、すべて音楽業界に学んだ」を掲載しました。

またまた雑誌プレジデントが刺激的なタイトルでやらかしてくれました。


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サラリーマン必読?


まあ、そんな大した特集ではありませんが、特集は「課長になれる人」、「部長になれる人」、「役員になれる人」の3段階で、それぞれの世代で果たす役割について座談会会形式でまとめている。


まず、すべての役職に当てはまる昇進の基準は、


■人望があること


と書いてある。


課長に昇進するためには何よりも実績をあげることが重要だと思うが、それに続くのが「人望」ということになる。


以前勤めていた会社で、俺はこんなに実績を上げ、会社の売り上げに貢献しているのに何でO長になれないんだ!と息巻いている人がいましたが、そういう輩に言ってやりたい。


君は人望がないんだ!と。


一方、サラリーマンの最初のハードルである「課長」になれない人というのは、「コツコツ真面目にやっていればいつかは報われると思っている人」だそうだ。


今の時代、「コツコツ真面目にやっている=無能で真面目なやつ」というレッテルを貼られてしまうからだ。


でも昔は、こういう真面目な人が多くいたんでしょうね。


部長に昇進する人の評価の第一は部門の戦略を立て、部下をマネジメントしながらその戦略を実践していくことなのだが、その過程において何度も「決断」という踏み絵を踏まされる。


この「決断」をできる人かどうか、というのが部長昇進の大きな決め手になると書いてある。


ふむふむ。


そうだろう。


課長の分際では、大きな「決断」をすということはまずない。


部長が決断を下す場合、社内の根回しや外部の人脈等を含め、正確で早い情報収集が大きな武器となる。


コミュニケーションが悪ければ、正確な情報をいち早く入手することもできないだろうから、そういう人はおのずと人望がないという結論になる。


部下や他部署の人間とのコミュニケションが悪いうえに、肝心なところで「決断」を下すことができない「部長」がいたら、これは組織として最悪だと思ったほうがいい。


役員になれる人の中で、私がもっともだと思ったのは以下の2つです。


1.部長職でありながら、もし自分がボードメンバーになったなら、というトレーニングが日ごろからできている人


2.会社にとって正しいと思ったことは、役員に面と向かって主張できる人


これも当然ですよね。


上の人にゴマをすり、上から言われたことは忠実に行うくせに、余計なことは一切やらず、ひたすら減点をつくらないような生き方で出世した人が昔はいましたが、今は「余計なことをしない=無能」という評価につながってしまうから、正しいと思ったことを堂々と主張できなくては役員になる資格はないということです。


私が個人的に一番卑怯だと思うのは、既に逃げ切りを図っている50代の社員、特に管理職です。


あと数年、何とか持ちこたえれば今の給料のまま60歳の定年を迎えることができる。


60歳になれば、給料は減る代わりに責任のない一社員として65歳まで雇用が保障されるということを本気で考えながら毎日を過ごしている50代社員のことです。


おまけに、こういう管理職が下の世代から一番嫌われているということに気づいていない人が多いから尚更始末が悪い。


50代は今までの経験や知恵が一番発揮できる世代であり、決して逃げ切り世代ではないのだ!


私個人を振り返れば、50代の後半に会社の合併という大きな出来事があったこと、僅か5年の間にインターネット局~新聞雑誌局~テレビ局という3つのセクションの責任者を経験させてもらったことなどで、実に刺激的で楽しい50代を過ごした。いや、過ごしています。


ここは会社に感謝しています。


あと、常々思うのは、世代間の継承(バトンタッチ)ができにくくなっている時代だな~ということです。


継承には、「仕事のやり方」、「人脈」、「飲み屋」・・・・・・いろいろ含まれますが、私自身30代以下の社員と個人的に飲みに行くようなことはまずありません。


部長を飲みに誘ったら、たまたま若い社員がついてきたということはありますが。


こういうアフターファイブでの部下との接点が少なくなってきたことも「継承」を妨げる大きな要因になっているような気がします。


数年前のことだが、ある映画配給会社の試写会の受付でベテランの映画評論家S氏(70年代~80年代のアメリカン・ニューシネマについて深い見識を持ち、著書も何冊も出版している大物評論家です)が、配給会社の若い社員に入場を断られているではありませんか叫び


S氏が、たまたま試写状を忘れたことが原因のようでしたが、私に言わせればS氏ぐらいの大物は顔パスで充分。


その日、S氏が淋しそうな表情で帰って行ったことが忘れられません。


世代間で引き継ぐべき「継承」ができていない証拠です。


とまあ、こんなことを考えながら週末の一日目を過ごしています。


人は不思議な縁に導かれて、自分の人生の大事なものと出会う。


時に、思いもよらぬ場所で。


仕事も同じだと思うのは私だけでしょうか。