最近通い詰めている居酒屋が新橋烏森口にあります。
「大衆酒蔵かっぱ」という店です。
親子3人で営むカウンターだけのこじんまりとしたお店ですが、この店の肴がどれも美味しい。
中でも一番のお薦めがこれ!
コンビーフのカレー炒めです。
ビールのつまみに最適です!
その他にも「なめろう」、「小鯵の唐揚げ」がお気に入りですが、訪店4回目にしてようやく名前を覚えてもらいました
きっかけは、またも吉田類の「酒場放浪記」でした。
最近はもっぱらB級居酒屋専門です
さて、今週は「裏切りのサーカス」に続いて2本目の映画を観ました。
「わが母の記」です。
劇場はシニアにやさしい築地「東劇」。
この劇場の椅子は実に気持ちがよいし、前の人の頭が決して邪魔にならないよう床に絶妙の勾配が施されているのでリラックスしながら鑑賞できます。
またレトロな雰囲気もあり東京で一番好きな劇場です。しかもロビーにマッサージチェアまでありますから!
この劇場でメトロポリタン歌劇場のオペラを上映しているのですが、未だ観たことがないので次回上映の時には是非行こうと思います。
あっ、玉三郎さんの「天守物語」はここで観ましたよ
平日の夕方の回でしたが、さすがに観客は少ない。
ご存知のとおり井上靖さんの自叙伝的小説を映画化したものですが、認知症が徐々に進行していく老母を演じた樹木希林さんの演技というか、独特の風情が素晴らしいことに加えて息子である役所広司さんに自分自身を重ね涙が止まりませんでした。
多分来年の映画賞では、樹木希林さんが主演か助演か分かりませんが、女優賞を総なめにするのではないでしょうか。
それほど素晴らしかったです。
この作品は「家族」を軸に老いた母親と幼い頃母親に捨てられたと思い続けてきた息子との人間模様を丁寧に描いているのですが、原田眞人という監督の力量が全面に出た会心作だと思うし、最近観た邦画作品の中では突出していると感じました。
老いは辛く哀しいけれど避けて通ることはできない。
老いていく人に優しい眼差しを向けることができるかどうか。
映画はそんなことを問いかけているように思えました。
かつて作家の太宰治は、優しさとは「人を憂える心」と記した。
太宰が言う「人を思う心」の大切さを本作品から学んだように思います。
久しぶりに2本の映画、それも良質な作品を観賞することができ大満足の1週間でした
満足度90点です!