自分の目で被災地を見て・・・・・・・・・・・・
2月26日(日)13時30分。
この日気仙沼プラザホテルでは映画監督の堤幸彦さんが企画・演出したドキュメンタリー・ドラマ「Kesennuma, Voices」の試写会が開催されていた。
堤さんは今までに気仙沼を舞台に映画を撮影した機会が多く、震災後何度も現地にボランティアとして訪れたそうです。
テレビ局のディレクターとして演出家のキャリアをスタートさせた堤さんですが、その当時知り合った人の中に現在フリーアナウンサーとして活躍している生島ヒロシさんがいました。
生島さんはこの震災で気仙沼に住む妹さん夫婦を亡くしました。
このことを知った堤さんは昨年末、生島さんの息子さん二人を主人公に起用してドキュメンタリー映像作品を制作することを決意。
それがこの日地元で初めて上映された「Kesennuma Voices. 東日本震災復興特別企画~堤幸彦の記録」というわけです。
写真右から堤監督、生島兄弟、エンディングテーマを歌っている熊谷育美さんです。
このドラマは3月11日(日)21:30からCS放送の「TBSチャンネル」で放送されます。
当日会場で配られたパンフレットから紹介します。
「物語は、ボランティア活動のため気仙沼に向かう生島兄弟の出発から始まっていく。叔母一家を失うことで深く大震災に関わり、傷つきながらも、どう対処すべきか答えを見いだせない東京在住の二人。気仙沼で日々を通じて、震災がもたらしたものに直面し、自分自身と向き合わざるを得なくなる・・・・・・・・・そこには、苦しくともゆっくりと立ち上がっていく気仙沼の人々が映し出されていく。鎮魂と希望への映像とするために・・・・・・・・。」
朝6時30分に自宅を出て東京駅経由で気仙沼に着いたのが12時10分。
約6時間の長旅でしたが、特に一ノ関から気仙沼までの大船渡線が長く感じられました。
気仙沼駅に着いて最初の印象は
?
・・・・・・・・・・・これが被災地?
駅前の商店街は普通に営業しているし、街を歩く人たちも普通に会話している。
しかし、タクシーに乗って5分も走ると風景が一変します。
僅か数百メートルの距離が生死を分けたということです。
会場の気仙沼プラザは漁港近くの高台に建つホテルですから、被災した港町が一望できます。
港の周囲は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何もない。
本当に何もないのです。
かつては多くの水産加工場やホテル、旅館、娯楽施設、商店が立ち並んでいたところなのですが、見渡す限り雪に覆われた平地が続いています。
雪に覆われた分、瓦礫が隠れているだけで、復興などまったく進んでいないという印象です。
道路にはいまだに大きな漁船が横たわっているし。
瓦礫受け入れに反対しているばかりでは復興は間違いなく進まない。
自分さえ良ければいいなんていう自治体、つまりそれは市民が反対しているからだが、そんな自治体=市民はダメだと思う。
被災地の人たちのことをもっと真剣に考えないと・・・・・・本当に大変だと思った。
こんなに大きな鉄の塊がどうして港から数百メートルも離れた道路に流されてきたのか?
津波の凄まじさに恐怖を感じると同時に胸が痛んだ。
最後になりましたが、今回私が気仙沼に行った理由です。
堤幸彦さんが制作したこの映像の上映とそのエンディングテーマを歌っている熊谷育美さんのトークライブをセットにしたイベント企画に参画しているからです。
今後、この「上映&トークライブ」を東京他で展開していこうと思っています。
映像と音楽・・・・・・・長い間我々が仕事の糧として付き合ってきた二つの絆が気仙沼を通じて結ばれることを願いながらこのイベントに取り組んでいこうと思っています。
詳細が決まったらこのブログで紹介します。