人間とエイリアンの共存は可能か?
B級テイスト満載のSF映画でした。
出演キャストは無名。
監督も無名に近い新人。
完全オリジナル脚本。
ヒットする要素はありません。
唯一あるとすれば、プロデューサーの一人が「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソンであること。
こういう作品が2009年8月に全米で公開されるや、初週の興行収入3,700万ドルでダントツの1位奪取。
最終的には全米で大ヒットの目安となる1億ドルを超えました。
どうです、これだけで興味が湧いてきませんか?
個人的には21世紀の「ブレードランナー」ではないかと思いました。
こういう作品の日本での配給権を獲得したのが、色々噂の絶えない「ギャガ」でした。
どんな噂だって?
最近独立系の配給会社の倒産が相次ぐ中、YODAマネーで経営されているギャガが「大丈夫なのか?」と言われている噂です。
しかし、(推測ですが)、買付金額が高かったのだと思います。
結果、日本での配給は「ギャガ&ワーナーブラザース」という異色の組み合わせになりました。
ストーリーは超ユニーク。
南アフリカ、ヨハネスブルグの上空にある日大きなUFOが飛来し、静止したままとなる。
やがて宇宙船内には弱ったエイリアンが多数乗り込んでいることが分り、処理に困った南ア政府はエイリアン全員を宇宙船から降ろし、彼らのための特別居住区「第9地区」に住まわせたのです。
この発想が面白い。
エイリアンが地球上で人類と共存する。
しかも人類はエイリアンをアパルトヘイトよろしく差別するのです。
その後28年間で100万を超える存在となったエイリアンを別の居住地区に移動させるという大移住計画が始まるのですが、ここから事態は思いがけない方向に進んでいきます。
全体としてはB級映画のテイストを保ちながら、精密にできたエイリアンの面白さや泣かせるストーリー展開等息つく暇がありません。
結構笑えるところもあります。
1組のエイリアン親子だけが宇宙船に戻って母国へ帰還するのですが、残りのエイリアンは地球に残り、その後、その数が250万を超えたとラストの字幕で紹介されます。
まずユニークなストーリーが抜群に面白い。
そして、エイリアンがよくできている。
最初は気味悪かったのですが、だんだん親近感を抱くようになりました。
B級テイスト満載のSF映画をとしては高く評価でき、満足度90点です。