「Twitter社会論/津田大介」を読み終えて | ソフィアの森の「人生は、エンタテインメントだ!」

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音楽が好きで、映画が好きで始めたブログですが、広告会社退職後「ビジネスの教訓は、すべて音楽業界に学んだ」を掲載しました。

この本がきっかけでTwitterを再開しました


津田大介さんの本はよく読むし、Webサイトにもよくアクセスします。


それは津田さんがIT系の論客でありながら音楽が好きで、音楽業界の未来について刺激的な示唆を与えてくれるからかもしれません。


Twitterが「新たなリアルタイム・ウェブの潮流」であることは間違いない。


そのことは、この本を読めば手に取るようによく分る。


しかし、私が最も興味を持ったのは「Twitterとジャーナリズム」「Twitterと政治」の章だ。


情報のリアルタイム性と伝播力の高さで圧倒的に優位なTwitterで、津田さんのように洞察力の鋭いインテリジェントが自分の意見を発信し続けていったら・・・・・・・・・・これは従来のジャーナリストにとって大きな脅威になる。


唯一限定機能が働くとすれば、それは「140文字」以内という制限でしかない。


だから[Twitter単体にジャーナリズム性があるのではなく、激変する環境にジャーナリズムが付いていくためのツールと考えるべきだ」と津田さんは書いている。


私自身、兼任する新聞雑誌局長として、新聞広告を通じてだが、新聞社編集局の雰囲気というか臭いというものをかなり敏感に察知しているつもりだ。


新聞は編集ありきが徹底しており、編集局長は絶対的な権限を持つ。


だから編集局長の下で働く多くの新聞記者は自らが書く記事にプライドを持っている。


この「プライド」の評価が難しい。


複雑化した社会問題や国際問題に潜む様々な論点や問題点を明らかにし、その解決策を提示することが今のジャーナリズムに強く求められている機能だから、解決策を提示することができるだけの力を持った記者がいる新聞社は人々に与える影響が大きいということになる。


しかし、その大きい新聞社に長い間在籍していると、第4の権力と呼ばれる大きな権威に胡坐をかき、一般の人たちとの間に意識のズレが生じる。もちろん、そうならない記者もいるが。


おまけに、ここまで情報が爆発している時代だ。


インターネットを通じて、新聞記者以外の様々な論客がマイオピニオンを発信し続けている上に、マスコミが発信する情報そのものを監視している。


ということは、これからの新聞記者に求められる能力には、従来の問題分析&解決能力の他に読者、聴衆、視聴者と言われる人たちと直接コミュニケーションする力が必用だということになる。


それはブログやTwitterなどを単なるツールとして活用し、情報に対して謙虚な姿勢を保つことに繋がる。


この「謙虚さ」と従来の新聞記者が持つ「プライド」の相互乗り入れが極めて重要な時代になった。


佐々木俊尚氏、津田大介氏のような新しいジャーナリストがインターネットを通じてマイオピニオンを発信している時代にこれからのジャーナリズムとはどうあるべきか?


そんなことを示唆してくれる本でした。


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