未来すぎない「明日の広告」 | ソフィアの森の「人生は、エンタテインメントだ!」

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音楽が好きで、映画が好きで始めたブログですが、広告会社退職後「ビジネスの教訓は、すべて音楽業界に学んだ」を掲載しました。

雪のお陰で一気に読み終えました


1月24日(木)、午前9時30分。羽田空港。


久しぶりの札幌出張です(‐^▽^‐)


最近行ったのは6年前?確かFM東京だかJ-WAVEだかの夏のゴルフ旅行だったような気がします。


あの頃のラジオ局は元気があったなあ・・・・・・・・・・


今回は北海道文化放送からのお誘いで、何と私にというか、私の会社に「音楽業界を例にして、最近のインターネット広告の事情」を面白おかしく話してほしいというマジなのかお遊びなのかよく分からない講演依頼です。


講演が終わったら、あれも食べたい、これも食べたい、あの人に会いたい、あのお店に行きたい・・・・・・・う~ん、どう考えても時間が足りないわ。


など、あれこれ想像していたのですが、11時発のANA61便千歳行きの備考欄には「天候悪化」の表示が。


それでも定刻に遅れること30分で羽田を離陸。しかし、青森の上空辺りで雲行きが怪しくなり、しばしの待ち時間。それも1時間近くのウエイティングの後、千歳への着陸が難しくなり、結局飛行機は羽田に逆戻りしてしまいました。


しかし合計4時間近くも機内に閉じ込められていたお陰で、いま最も気になっていた佐藤尚之さんの著書「明日の広告」を読み終えることができました。


美味しい蟹は食べることができませんでしたが、心は、かなりいい感じで、羽田に戻りました。


この本の素晴らしさについては多くのアルファーブロガーがコメントしていますので、ここでは詳しく紹介しませんが、インターネットの世界をここまで分かりやすくかつ本質を突く形でまとめた本は初めてではないでしょうか。


それも徹底した消費者目線で。


Web2.0だとか、CGMだとか、UCCだとか・・・・・・横文字言葉を連発して知ったかぶりをしていた自分が恥ずかしくなりました。


結局のところ、今の消費者のことを全然分かっていなかったのだと思い知らされました。


第五章に書かれた


「とことん消費者本位に考える~スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」を読んだ時には、涙が出そうなくらい共感してしまいました。


この漫画をとても大切なものとして一生持ち歩いていくだろう人々にとって「ありがとう」を伝えたい。それは彼らが喜ぶことを(感謝の気持ちを込めて)実行することだ。それが結果的に「ありがとう」につながる。


消費者本位のキャンペーンを企画するならば、このスラムダンクの事例はとても参考になります。


佐藤さんは、商品を愛し、商品の裏側にある消費者の熱い思いを初動段階で理解することに極めて多くの時間をかけます。この初動がとても大切だと続けます。


そしてメディアニュートラルな立場で企画すること。ここに先入観を持ち込んではいけません。


ここでのキーワードは行動ターゲティングです。


消費者の行動パターンを徹底的に分析した後は、その導線の最も効果的なところで商品とのコンタクトポイントを作る。いわゆる待ち伏せという手法です。


だって好きな彼女にラブレターを渡そうとするならば、彼女の趣味嗜好や通学路、友人関係等を徹底的に調べたりしますよね。そして、彼女と最も理想的な状況で会うことができる場所で、待ち伏せをしてラブレターを渡す。


佐藤さんはこんな比喩で今の消費者攻略法を伝授してくれます。


広告を既にビジネスにしている人、これから広告ビジネスを学ぼうとしている人、そして広告が好きな人、みんなみんなに読んで欲しい本です。


「魅力的な新しいメディアや便利なデバイス、次世代のテクノロジーがどんどん増え、エンタテインメントが身の回りに溢れる。既存メディアも(きっと)変化して消費者のために尽くそうとする。ネットという「消費者のメディア」もますます豊かに進化し、発言の自由度も増すと思う。暮らしていく分には相当楽しい「明日」だと思う。で、そうであるなら、消費者へのソリューションである広告にとっても、本当は楽しくて魅力的な「明日」であるはずだ。」


今の時代、広告は多くの人に広く伝えるのではなく、特定の人に深く伝えることに変化したことを忘れてはいけません。まずは変化する消費者と共に自分自身が変化しなくてはならないのです。

明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法 (アスキー新書 045) (アスキー新書 45)/佐藤 尚之
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