リトル・ミス・サンシャインはアメリカ版フラガールだ | ソフィアの森の「人生は、エンタテインメントだ!」

ソフィアの森の「人生は、エンタテインメントだ!」

音楽が好きで、映画が好きで始めたブログですが、広告会社退職後「ビジネスの教訓は、すべて音楽業界に学んだ」を掲載しました。

笑って、泣いて、そして癒される。こういう映画って、そうないですよね。




「負け組とは最初からあきらめてチャレンジしない人のことだ」


ヤク中のおじいちゃんがミスコンに出場する孫娘に語る場面での台詞です。アラン・アーキン扮するグランパはモーテルの一室でミスコンに挑戦する孫娘を励ますために、こう語った後、死んでしまいます。


昨年「フラガール」が最高!とこのブログに書きましたが、「リトル・ミス・サンシャイン」に登場するフーヴァー一家のロサンジェルスへの旅は、まさに常盤ハワイアンセンターで必死にフラダンスを踊り続けるダンサーたちの果てしのない夢への旅路と同じでした。


まさにアメリカ版フラガールともいえる映画でした。


アリゾナに住む小太りなメガネ少女を好演したアビゲイル・ブレスリンの演技に感動して満足度95点。


こんにちは、らんまるです。


昨年の東京国際映画祭のコンペ部門に出品され、グランプリは獲れなかったものの、監督賞と主演女優賞を受賞した話題作をようやく渋谷のシネクイントで見ました。


先に書いたとおり、文句なしの心温まる作品でした。超お薦めです!!


アリゾナに住む小太りなメガネ少女・オリーヴ(アビゲイル・ブレスリン)の夢は、ビューティー・クイーンになること。コンテストのビデオを研究したり、大好きなおじいちゃん(アラン・アーキン)の指導の下、ダンスを特訓したりと訓練に余念がない。そんな彼女の元に、朗報が舞い込む。カリフォルニアで行われる「リトル・ミス・サンシャイン」コンテストに繰り上げ参加が決定したのだ!甲斐性なしの父(グレッグ・キニア)、家族を嫌って沈黙を続ける兄、ヘロイン中毒で毒舌の祖父、失恋が原因で自殺を図ったゲイでプルースト研究家のおじ、そんなバラバラの家族を必死でつなぎとめようとする母((トニ・コレット)のフーヴァー一家は険悪な雰囲気のままミニバスに乗り、一路コンテスト会場を目指すが・・・・・・・・・・・・・・


監督は長編初となるデイトン&ファリスト夫婦。昨年のサンダンス映画祭で絶賛された作品です。


何よりも、子供用ファットスーツを着込んで幼児体型のオリーヴを好演したアビゲイル・ブレスリンがうまくて、可愛い!


次にグランパ役のアラン・アーキン。懐かしいですね。今でもオードリ・ヘップバーン主演の「暗くなるまで待って」での悪役が思い出されます。このアラン・アーキン演じるおじいちゃんが実にいいのです。やく中のエロジジイがオリーヴに振付けたダンスがラストで大きな役割を果たします。


コンテストに負けても、大切な家族との絆を取り戻したフーヴァー家のひとたち。それは、金権主義に突っ走り、人としての大切な「何か」を忘れてしまった現代人への警鐘のようにも思えました。


人は勝つことよりも負けることによって、他人への優しさや思いやりの気持ちを理解できるようになるのだと思います。


何よりも、私自身がそうでした。


仕事面でも収入面でも絶好調だった30代。


毎日が楽しく、忙しく、充実した日々を過ごし、同期のトップを切って部長に昇進しました。でも、そのつけが40代前半にやってきました。それも一気に。


それまで自分の味方だと思っていた人たちが突然冷たくなり、敵に思えてきました。


やがて孤立し、自らの決断により当時の会社を去りました。


その時は非常に辛かったのですが、あの時の経験がなければ、今ほど人に優しく接することはできなかったのではないかと思います。


フーヴァー家の人たちのひと夏の経験。その経験が、勝負には負けたけれど家族を愛するという人間本来の優しさを全員に取り戻させたのです。


やはり映画は脚本第一だということがよく分かる作品でした。


しかし、これから注目の作品が相次いで公開されますよね。「不都合な真実」、「デパーテッド」、「エレジー」、久しぶりに洋画が元気です。