旭山動物園とTYOとモチベーション-2 | ソフィアの森の「人生は、エンタテインメントだ!」

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音楽が好きで、映画が好きで始めたブログですが、広告会社退職後「ビジネスの教訓は、すべて音楽業界に学んだ」を掲載しました。

YMOではなく、TYOです。


TYOというのは文字通りTOKYOの略で「SPIRIT of TOKYO」の意味から名づけられた映像制作会社で、1982年4月に設立されました。元々はテレビ広告の制作会社で、JR東海の「クリスマスエクスプレス」や最近では工藤静香等の「かるくやばい」などの人気CMを多数制作しています。


その広告プロダクションが今や連結ベースで31社のグループ会社を率い、年商200億円を越える映像コンテンツの一大企業集団に成長したのです。広告制作だけでなく、アニメの制作やオリジナルキャラクターの開発、プロモーションビデオの制作など映像コンテンツに関わる多岐な仕事を展開しています。

このTYOを率いるグループの総帥吉田博昭氏は「才能のビジネス化」を実現させたクリエイティブ経営者として注目を集めていますが、そのTYO成長の秘密に迫ると題された本が前述の「TYOの勢いはなぜとまらないのか」です。


「私がやっているのは、経営という名の仕組みづくり。つまり、若いクリエイターたちの才能をビジネス化することです。」


吉田博昭氏は、さらにこう続けます。


「若い人が達成感や自己実現に向かって、思う存分に暴れまわることができる仕組みとそれが会社の利益になる仕組みを同時に実現させる。」


これを旭山動物園の3大成功要因にあてはめてみると・・・・・


TYOの成功は、「社員にストレスを与えることなく」、「その最も得意とする才能」を、「ストレスを与えない環境」の中で発揮させ「それをビジネス化する」ということになるのではないでしょうか?


このストレスを与えない環境のことを吉田博昭氏は「思う存分暴れまわることができる仕組み」と表現しています。

多くの企業経営者がこの仕組みづくりに悩んでいるのですが、特にクリエイティブな分野では「才能のビジネス化」が大きな課題となるため、少数精鋭による分社化というアイデアがTYOの重要な経営戦略になったのでしょう。


動物のモチベーションを高めることも社員のモチベーションを高めることも、要は動物の目線で動物園の経営を、社員の目線で会社の経営を見ることができるかどうかにあるのではないかと思います。


高い目線からでしか社員を見ることができない経営者は、今では時代遅れと言えそうです。


もちろん、社員を自由に活動させるだけでは不十分で、そこから生まれるエネルギーをビジネスに変えていくマネジメント能力が求められていることは言うまでもありません。


旭山動物園で働く飼育係の人たちやTYOで働くクリエイターたちは、「ストレスの少ない環境」であるがゆえに、モチベーションを高め、新しいアイデアを考え、他者と真剣に競争しているのだと思います。


(株)オーシャナイズ というK大学の学生が起業した新しい会社があります。「タダコピ」と言って、大学のキャンパス内にあるコピー用紙の片面に企業広告を入れて、コピー料金を無料にしたサービスを展開しています。


この会社のT社長に久々に会い、社員の人達も加えた飲み会を六本木の居酒屋でやりましたが、これが実に楽しかった!


このT社長、決して優等生タイプではないのですが、スタッフのモチベーションを高める術をよく知っていて、なおかつバイタリティと優しさが同居している魅力的な青年です。


(株)オーシャナイズが未来の旭山動物園やTYOのような会社になることを期待して止みません。