米ワコビア、7-9月期2.3兆円の赤字計上
米大手銀ワコビアは22日、7-9月期(同社第3四半期)決算発表を行った。発表によると第3四半期最終損益は236億9,800万ドル(約2兆3,700億円)の赤字を計上した。前年同期の16億1,800万ドルの黒字から大幅な赤字転落となった。
同社優先株配当金支払い後の第3四半期一株損益は11.18セントとなり、前年同期の一株利益85セントから大きく下落した。トムソン・ロイターアナリストらの予測平均は一株利益2セントであった。アナリスト予測では一時費用は除外されている。
最終赤字計上は3四半期連続となった。同社はサブプライム(信用力の低い個人)ローン問題が悪化したのに伴い、貸倒引当金を積み増す他、昨年から信用収縮関連で約290億ドルの損失を計上してきた。また過去のM&A(合併・買収)に伴うのれん代償却費用として約188億ドル、貸倒引当金の積み増し分が約62億ドル、住宅ローン担保証券などの証券化商品の評価損が25億ドルとなった。貸出債権に占める不良債権の割合は前年同期の5倍近い水準の3.05%となった。
ワコビアは9月以降の短期金融市場の混乱の痛手を受け、米銀大手のウェルズ・ファーゴに吸収合併されることになった。 ワコビアの資金繰りを支援するために、ウェルズ・ファーゴは株式公募によって200億ドル相当の資金を注入する計画であるという。また米政府による2,500億ドルの米金融機関株式購入高のうち250億ドルを資本投資として受け取ることになる見込みであるという。ワコビアによると、ウェルズ・ファーゴによる合併吸収は株主の承認を経て10-12月期にも完了する見込みであるという。
出典:IBTimes