映画「バンジージャンプする」 | ある在日コリアンの位牌

映画「バンジージャンプする」

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バンジージャンプする

 「バンジージャンプする」という映画タイトル、とても秀逸である。韓国映画のタイトルには一つのセンテンスになっているものが多い。当初、韓国映画のタイトルの付け方に、とても新鮮な感覚を抱いたのを思いだす。

 ふと思い浮かぶもので、ずっと前に見た韓国映画 「旅人は休まない」とか、このブログでも紹介している「達磨はなぜ東へ行ったのか」などが印象に残る。


 ところで、この作品の舞台は1983年のソウル。イ・ビョンホンとその恋人のイ・ウンジュの大学時代から物語が始まる。

 偶然ではなく、必然といえる2人の出会いは、まるで運命の糸で結ばれていたかのようで、深く愛し合うように。そして永遠の愛を誓う。

 しかし、イ・ビョンホンが韓国男子の義務である軍に入隊することになり、しばしの別れに。イ・ビョンホンは入隊の日、約束場所のヨンサン駅でイ・ウンジュを待つが、イ・ウンジュがヨンサン駅のホームを訪れることはできなかった……。


 月日は流れ2000年、高校の国語教師となったイ・ビョンホン(妻子持ち)は、自分のクラスのある男子生徒の存在から、魂を徐々に過去へと遡らせる。そして、苦悩の中、あることに気づいた!

 魂の導きは、さらに驚く結末へ……。


 社会的な視点も持ち、人間の魂とは何なのかを考えさせてくれる作品。東洋思想にある「輪廻転生」と、「因縁」という言葉の意味、その世界観を深く考えさせられる。

 「愛するために愛するのではなく、愛さずにはいられないから愛する」といった言葉が熱を帯びて2人を包む。


 映画のエンディングについては議論を含むと思うが、問題を提起する作品。評価に値する映画である。監督は、これがデビュー作となるキム・デスン。


 最後に、実際、人生のバンジージャンプをしたイ・ウンジュに対し、心からの冥福を祈りたいと思う。


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