あゝ、北関東、本まみれ 

あゝ、北関東、本まみれ 

北関東の田舎町に生息する、読書と古書店巡りを愛してやまない男のブログ。

日々、乱読しております。

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<他人力>を使えない上司はいらない! (PHP新書)/河合 薫
¥756
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<内容紹介より>

どんなに才能があっても、他人の力を上手に使えなければ、上に立つ資格はない。そのためには、相手の心を動かせるかどうかが鍵となる。「この人のために働こう」と思わせることで、無理だった仕事も可能になり、組織は成長する。本書は、健康社会学の見地からビジネスの現場における“他人力”の必要性を説く。どのような場面で、どのようなサポートを得ることが有効なのかを具体的に解説。他人に頼ることは、決して弱さの証ではない。むしろ、ストレス社会を生き抜くための賢いコミュニケーション術なのだ。



本書は、以前、ニュースステーションで活躍されていた河合薫さんが、健康社会学の見地から他人力とはなにかを解説した本。著者の遭遇した具体例もあげながら、他人力を上手に使う方法や、他人力の必要性などを説いている。


『他人力を使えない上司はいらない』というタイトルにしながらも、本書では、中間管理職のみならず、ごく一般的なサラリーマンにも参考になる<他人力>についての記述が多い。仕事は自分ひとりでやることはできるが、その量には限界がある。自分の限界以上の仕事をしようと思ったとき、<他人力>が必ず必要になるのである。では、他人力をスムーズに借りることができるようにするには、どうしたらいいのか?そういったアプローチで本書では他人力についての解説をしている。

他人の力を借りることで、自分の能力以上の仕事の成果をあげようという視点で、ビジネスマンとしては当たり前のことなのだが、ついおろそかにしてしまいがちな他人とのコミュニケーション術など、再確認させてくれる本である。


後半には、「こんな人に力は貸したくない!」として、人の心が離れてしまうような人をタイプ別に紹介している。自分の周りにもこういう人がいるなぁ、なんて思いながら読み進めてみるとおもしろい。



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ロートレック荘事件 (新潮文庫)/筒井 康隆
¥460
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【ハードカバー版表紙より】

銃声が二発!夏の終り、美しい洋館で惨劇が始まる……。

映像化不能。前人未到の言語トリック。読者に挑戦するメタ・ミステリー。この作品は二度楽しめます。



「小説新潮」1990年4月号~6月号に掲載された、筒井康隆の推理小説。

ロートレック荘とは、ロートレックの絵画を収集する富豪が保有する古い洋館で、収集されたロートレックの絵がいたるところに貼られている。そんな雰囲気のある洋館で起こる殺人事件を筒井康隆が見事な言語トリックを駆使して描いている作品である。


言語トリック・文章トリックを用いたすばらしい推理小説というのは、読後感の満足度が普通のそれとは比べ物にならなくらい高いものである。本書も例外ではなく、読後、すべてのトリックの謎がわかってくると、すごくすっきりした気分になる。そして、そのトリックを確かめたくてもう一度読みたくなる。本の表紙に「この作品は2度楽しめます。」と書かれているのも決して誇張ではないような作品である。気分がスカッとする推理小説だ。


【帯より】

白馬岳から唐松岳へ縦走中、不帰の嶮で行方不明になった青年・笹村雪彦。彼の山への情熱を讃えるため、彼の誕生から死までを一冊の追悼集にまとめることになった。企画を持ちかけられた母親は、息子の死因をさぐるうちに、大きな疑惑を抱き・・・



折原一の著作には「○○者」という題名のものが多い。本書もそのうちのひとつで、北アルプスを舞台とした山岳ミステリーである。僕は、初版を古本屋で手に入れたのだが、この本の特筆すべきは、2冊の分冊であるが、それが小説ではなく、死者の追悼集、遭難事故報告書という体裁になっていることである。山岳会の発行した遭難事故報告書を読みながら、謎にせまっていくという、一風変わった趣向が楽しめるようになっている。


僕は推理小説においては、山岳ミステリーが大好きでいろんな作家の作品を読んでいるのだが、折原氏の山岳ミステリーは今回がはじめてだった。これを古書店で見つけたとき、本のつくりにまでこだわっていて、面白そうなので購入してみた。トリック的には、月並み(失礼!)といったところ。しかし、遭難事故報告書を読みながら謎がとけていくという試みは斬新で良い。個人的にはこういう試みは大好きである。


しかし、画像がなくて装丁をご案内できないのが残念。

ちなみに文庫化されているのか、文庫でもハードカバーと同じような体裁の本になっているのかは、わからない。

もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵/椎名 誠
¥1,631
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【裏表紙より】

本を読んでいないと、禁断症状が出てしまうほどの活字中毒である本の雑誌発行人、めぐろ・こおじを罠にはめて、味噌蔵に閉じ込めてしまう表題小説は、著者が初めて書いた記念碑的小説。どこまで本当で、どこからフィクションなのか、解説で主人公の目黒氏が種明かしをしてくれました。もうひとつの読みどころは、著者の過激な好奇心がぎっしり詰まった辛口コラム。うんこ的本づくりに文句をつけたり、ゴキブリ雑誌を踏みつぶしたり、インチキベストセラーを攻撃する若き日の椎名誠がまるごと文庫で初登場!



本書は「コラム・エッセイ」のジャンルに入れてしまったが、実際は小説にコラムに書評にといろんな種類の文章がつめこまれている。椎名誠の作家デビュー前後に書かれた文章をぎっしりと詰め込んだ本である。


表題「もだえ苦しむ~」は椎名誠の作家デビュー初期の小説で、活字中毒の同僚を親戚の持つ味噌蔵に閉じ込めてしまうという内容の作品。初期の椎名作品らしく、ドタバタでなおかつ、○○的という言葉を多用する個性の強い文章になっている。その上、登場人物も実在する人物やフィクションの人物がいりまじっているので、独特の世界を感じることができ小説である。


後半は雑誌に連載していたコラムや書評をまとめた内容になっている。

特に書評は、椎名誠が思うところをストレートに記したものが多く、ほとんどの雑誌や本に対して、かなり辛口の書評がなされている。ただし、連載が1980年前後のものなので、雑誌については廃刊になっているものも多く、若い人にはわからないかもしれないが、僕らの世代では、「ああ、そんな雑誌あったなぁ」なんて懐かしがりながら楽しく読むことができる。


いままでにも、何冊か椎名誠の作品は呼んできたが、本書が一番、椎名誠独特のクセが強い作品だと感じた。本書の文庫版のイラストは、沢野ひとしが担当している。僕は椎名誠の小説には、この沢野ひとしのイラストがいちばんピッタリくるというイメージがある。本書は初期のクセのある椎名誠の世界を感じたい方にはオススメである。

古本蟲がゆく―神保町からチャリング・クロス街まで/池谷 伊佐夫
¥2,300
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【帯より】

『古本蟲がゆく』は司馬遼太郎氏の名作『竜馬がゆく』から着想を得たタイトルである。・・・古書の町「ヘイ・オン・ワイ」まで足を延ばす予定だったのだが、調べてみると彼地はロンドンから遠くはなれており、一週間程度ではとても取材しきれないことがわかった。そこでロンドン市内の老舗やチャリング・クロス街の古書店を中心にまわることにした。しかし、私は英語がからっきしできない・・・ところが現地の人は、こちらがカタコトの英語しかできないのにまったく容赦してくれない。もう二度と行きたいとは思わないが・・・



本書では、古書好きなイラストレーターの池谷氏が、日本各地にある様々な古書店を店内俯瞰図のイラストと共に紹介している。雑誌「諸君!」に2005年8月~2007年12月まで連載されていたコラムに、ロンドンの古書店めぐりの記事を加筆してまとめた本である。



古書店といえば、ブックオフなどのいわゆる"新古書店"が増える以前は、薄暗い店内に、汚い本がうず高く積まれていて、無愛想な店の主人が牢名主のごとく、店の奥で無愛想に何か本を読んでいる・・・なんてイメージを持っている人が多いんじゃないかと思う。今でも無愛想な店の親父が、店の奥でむつかしい顔をしてパソコンをいじってる、なんて店もよくみかける。しかし、最近は古書店といっても、個性のある店が増えてきたと思う。とにかく在庫量がすごくて古書マニアの身にとっては、2晩も3晩も泊りがけで本を探していたいような、品揃え豊富な古書店。観葉植物なんかがおかれていて、店内も明るい雰囲気の、一見、新書店にも見間違うような古書店。喫茶スペースが設けられていて、コーヒーをすすりながら古書を選ぶことができる古書店などなど。古書店には以前なかったような店主の個性が強く反映されているようなお店が増えてきている。


本書には、昔ながらの古書店から個性的な現代風の古書店まで、いろいろな古書店が俯瞰図付で紹介されている。著者がイラストレーターだけあって、俯瞰図は実に細かい部分まで書き込まれてあって、店の様子がよりわかりやすく紹介されているのである。そして、俯瞰図だけでなく、著者が実際に取材に訪れた際の戦利品もイラストで紹介されているのが面白い。一緒に取材に同行している編集者の戦利品までもがのっているので、この戦利品のイラストを眺めているだけでも、古書好きにはたまらない内容になっているのである。


とにかく古書好きにはオススメの一冊である。古書が特別好きでない人にも、今の古書店の雰囲気を味わえることができるので、オススメである。