翳

木々の葉を翳して黄昏れる空を見るのがたまらなく好きだ。

あんなに青かった空がだんだん茜色に染まり、やがて暗闇が空を覆っていく…
マジックアワー
ところで、「暗」と「闇」という字には『音』が含まれている。
漢字の成り立ちで「音」を調べてみると、『言』+『-』(口の文字の中に横棒)が「音」になったそうだ。
ちなみに「言」は『辛』+『口』である。その成り立ちを更に掘り下げると面白いがここではふれない。
「闇」は『門』と『音』とに分けられる。『門』は霊廟などの神聖なる場を意味し、夜更けに神が『音づれ』(訪れ)、かすかに『音なふ』(音がする意。『音』には神のお告げの意味があり、それは「かすかな」音であった)
神聖なる場で夜中に神の『音づれ』を待つ状態が「闇」という文字となり、やがて夜という暗い状況を表す言葉となったそうだ。
「闇」から派生してできたのが「暗」。
ここからは私の憶測なのだが
古代の天皇が簾のような物で姿を翳し、宮殿に参内した者と直接顔を合わすことなくひそひそと近侍に伝え、詔として賜うたのはこうした漢字の成り立ちの歴史を背景に文化として神事として確立されたのやもしれないと。