一面に広がる壮大な洞穴。

 

 

 

 

剛直に鎮座する、巨大な石像彫刻。

 

 

 

尽くされる、細部への意匠の限り。

 

 

 

 

これを神秘と呼ぶのだろうか。

 

 

 

 

 

否。

 

 

そこにはむしろ、

ありありと人の作為がはたらいていたのである。

人が手ずから仕上げた造形がある。

 

 

 

そこには多くのものが、者が、込められているのである。

その体現に触れているのである。

 

 

 

 

 

無機質な洞穴の中はひんやりしている。

しかし、ひとたびそのことに思いを馳せれば、

生の圧倒的な熱量が押し寄せてくる。

その質量に息を呑む。

 

じめっとした汗が背中を流れた。

 

 

 

・・・少しも寒くない。

 

 

 

 

 

 

 

一橋大学ワンダーフォーゲル部 

2019年度春合宿インド

アウランガバード編

 

エローラ・アジャンター石窟群探訪

 

以上