今年の長期縦走の舞台は北アルプス。
扇沢から梟雄たる峻峰を乗り越えながら後立山を北上し、日本海まで一気に駆け抜ける爽快なコース。
前半では扇沢から爺ヶ岳、鹿島槍、五竜、唐松などなどのピークを踏み、白馬岳の真下まで来ていました。
晴天に恵まれ八峰、不帰の難所をなんとか通過することができた4人。
親不知では我々をどんな景色が待っているのか?
後半、スタートです。
白馬岳頂上宿舎から白馬岳まではものの30分。はやく出すぎて、白馬岳頂上で日の出を迎えること能はず。
白馬を過ぎ、雪倉岳も近くなってきたところでようやく日の出が。
穏やかな山容が素晴らしい。朝早いためかほかの登山者も少なく、静かな日の出を我々だけで独り占め。
逆光で中浜の顔も標石も見えにくいけれど雪倉岳山頂。いいところだ。
明日の目標は朝日岳。もうちょっとで朝日小屋だ!
しかしその手前の水平道がなかなかきつい。道自体は整備されていてなんてことないのだが、小尾根と小沢を
乗り越えるためどうしてもアップダウンが多くなり、疲れた足にはちょっとした負担だ。
苦節2時間弱、朝日小屋に到着。一番乗り。山荘でのコーラを楽しみにしていた布勢リーダーは朝日小屋にコーラがないことを聞いてがっかり。何とかリフレッシュするために奮起。中浜のお楽しみカルピスメロンと、山荘で売られていた炭酸水を混ぜることでおいしい、メロンソーダを作ってしまった。
6日目。朝日岳を登って栂海新道に入り、栂海山荘まで。
朝日岳山頂で朝日を見ること能はず。特にやることもないのでさっさと下る。あと2400mもあるぞ。
ここら辺は危険箇所も少ないのでシャッターを切りまくる。北アの朝焼けのフォトコンができそうだ。
途中で2か所ほど雪渓を渡らなければならなかった。
下るにつれ、だんだん植物の背丈が高くなってくる。
朝日小屋で買ったますずしを食べてご機嫌。
最後の夜になって新鮮な桃が。うまい。
栂海山荘周辺はいい水場があまりなく、来るときには水計画をしっかり立てていなければならない。
あとトイレは解放感抜群。絶景を楽しむことができるぞ!
旅も終盤ということで清野が体を張ったお楽しみを披露。迫真の踊りは、途中から土屋太鳳が踊っていると錯覚するほどだった。素晴らしい。
明日はいよいよ最終日。なんだかんだ最終日のコースタイムも10時間近いので頑張らなくては。
7日目。最終日にもなるとそれぞれ疲労を隠せない。アップダウンの繰り返しをただただ黙々と歩く。
既に限界を迎えた宮本の周りには、弱った獲物に狙いを定めた蝿がホバリング。
あと5時間強。頑張るしかない。
坂田峠の下りが足を痛めつける。精神力で黙々と歩く。
ゴールが見えてから最後の50mほどは言葉が出ない。車の往来が激しい道路にいきなり出る。コカ・コーラ社の自販機を見て、下界に戻ってきたことをゆっくりと実感する。
眼前に広がる大海原の美しさに涙がこぼれる。
北アルプスの終着。数本の尾根が一気に海へと落ち込んでいる。
しばらく座り込んでただ海を眺める。栂海山荘でお会いした登山者の方に集合写真を撮ってもらった。
僕たちにはデナリを滑降することもチンネ左稜線を行くこともできないが、この縦走は我が部等身大の、立派に内外に誇れる山行の一つだったと自負している。
素敵な7日間に、ありがとう。