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死の宣告を受けた2人の男が破天荒な旅をするロード・ムービー。
タイトルからして重いテーマのストーリーかと思いきや、コメディあり、アクションあり、ドラマありのバラエティーに富んだ作品でした。
病院で検査を受けるマーチン・ブレストとルディ・ウルリツァー。健康であるかに見えたマーチンは脳に腫瘍が見つかり日々危険な状態、ルディはガン(骨肉腫)だと診断されてしまいます。
即入院させられた2人は同室となり、お互いの病名を知り意気投合。病室で見つけたテキーラを片手に塩とレモンを探しに厨房へ向かいます。
同じ頃、クラブを経営するマフィアの中ボスであるフランキーが子分のヘンクとアブドゥルに、大ボスのカーチスにベンツを渡しに行けと命令します。凸凹コンビのヘンクとアブドゥルは喧嘩しながら運転しますが、途中、少年を轢いてしまい病院に連れて行きます。
マーチンとルディはほろ酔い気分。ルディは海を見たことがないことを告白すると、マーチンは海を見に行こうとルディとともに病院から抜け出します。
ヘンクとアブドゥルのベンツを盗んで・・・。
いやぁ、面白い。こんなドイツ映画は初めて観ました。ハリウッドでリメイクしても良いくらいのキャラクターとストーリーでしたね。
自分勝手な行動ばかりするマーチンに翻弄される真面目なルディが次第にマーチンと同調していくさまが面白かったですね。「親友、仲間」と言うより「同志」と呼べる2人でした。
この2人を追いかけるヘンクとアブドゥル。しっかりしてそうでどこか抜けているヘンクと粋がってばかりのアブドゥルが大いに笑わせてくれます。
天国のドアを叩くほど死に近づいているマーチンとルディにとって恐れるものは何もありませんでした。彼らは車を盗むだけでなく、ガソリンスタンドの男を襲い3千マルクを強奪、さらに、銀行強盗で8万マルクを手にします。
さらに、盗んだ車には100万マルクが・・・。
そこで、警察が動き出します。シュナイダー警部とケリー刑事。この2人もお笑い組でしたね。
逃げるマーチンとルディ。
100万マルクを追うヘンクとアブドゥル。
強盗犯を追うシュナイダーとケリー。
凸凹コンビの壮大な追跡劇が始まります。
随所に散りばめられたコミカルなシーンがマーチンとルディの危機感をまったく与えず、テンポよくストーリーが展開していきますが、マーチンに発作が起き始めると一気に緊張感が高まります。
互いに書き留めた死ぬ前に叶えたい願い。
マーチンは良い奴でしたねぇ。それに対してルディときたら・・・でも、その願いも判らなくはないですけどね(^_^;
ラスト。
とうとうフランキー一味に捕らわれてしまったマーチンとルディでしたが、フランキーの脅しに失笑する2人・・・当たり前ですよね。
そこへ、登場する大ボスのカーチス。ここだけ、展開が飛躍し過ぎたかなぁ。なぜ、カーチスは2人を逃がしたのでしょうね。
海。
浜辺に立つマーチンとルディ。
ラストシーンからエンドロールに渡って流れるボブ・ディランの「KNOCKIN'ON HEAVEN'S DOOR」がラストシーンの余韻を残しています。
「kn-kn-knockin'on heaven's door~♪」の連呼に思わず一緒に口ずさみたくなりました。
「生」を象徴する海と「死」を待つ2人の対比・・・達成感と悲愴感が複雑に絡み合うシーンでした。
Title:
KNOCKIN' ON HEAVEN'S DOOR
Country:
Germany/Belgium (1997)
Cast:
(Martin Brest)TIL SCHWEIGER
(Rudi Wurlitzer)JAN JOSEF LIEFERS
(Henk - der Belgier)THIERRY VAN WERVEKE
(Abdul - der Araber)MORITZ BLEIBTREU
(Frankie 'Boy' Beluga)HUUB STAPEL
(Kommissar Schneider)LEONARD LANSINK
(Assistent Keller)RALPH HERFORTH
(Frau Brest - Martins Mutter)CORNELIA FROBOESS
(Curtiz)RUTGER HAUER
Director:
THOMAS JAHN
