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落ちぶれた天才中年ピアニストと明朗快活な少女の愛と感動の物語。
他の作品と同時上映的な扱いで公開されたそうです。隠れた名作ですね。
フランス。モン・サン=ミシェルにある病院で診察を待つ一人の中年男リチャードがいました。診察室から出てきた少女ステラは、見ず知らずのリチャードに、座っている席の下に置いてある鞄と帽子を取ってと明るく元気に頼みます。
しかし、笑顔を見せないリチャード。診察室に入ったリチャードでしたが、医者からはなぜかステラの父親と間違われてしまいます。そこで、聞かされるステラの病名・・・。
ステラは余命3ヶ月の命でした・・・。
リチャードがステラの父親だと医者が勘違いしたのはステラがそのように言ったから・・・。
リチャードは自分の診察を済ませた後、バスで帰ろうと停車場へ向かいます。そこでもステラと出会います。屈託のない笑顔で話しかけるステラにリチャードは先ほどと同じように笑顔を見せません。
しかし、ステラの診断結果に関しては、「嘘だとバレたから君の診断結果は何も聞かされていない」と嘘を付きます。
2人は偶然にも同じコンカルノーへ行くところでした。リチャードは仕事のために。ステラは父親探しのために・・・。
ステラの明るい性格は元気付けられるのと同時に、序盤から知らされる病名と余命によって悲しくもありました。ステラは既に自分の病名と余命を知っているかのようにも思えましたね。
ステラは、一人でいると寂しさが襲って来てしまうから明るく振る舞っていたのかなぁ。誰でもいいから話していないと耐えられなかったのかも・・・。
そこへ、偶然出会ったリチャードとの旅。誰でもよかった話し相手でしたが、ステラの中で何かが変わり始めます。
リチャードは人生から逃げ出していました。天才ピアニストだったリチャードでしたが、現在はスランプに陥ってしまい、仕事も長続きしません。
ステラに母性が芽生えたのでしょうか。リチャードの仕事をサポートするステラに、ようやくリチャードも打ち解け始めます。そして、リチャードもステラの父親探しを手伝うことにしましたが・・・。
父親が住んでいた家に父はいませんでした。そこにあったのは1台のピアノ・・・。
リチャードはピアノを弾き始めます。ステラはこのとき残りわずかな命をリチャードの託そうと決意したのではないでしょうか。リチャードを再び大ホールで演奏させるために・・・。
ステラ役にはパメラ・ヴィロレッジ。やはり前半の明るいステラが印象に残ります。「恋しちゃった」なんてセリフに時代を感じますが、それはそれで可愛かったりします(^-^)
逆に後半は・・・悲しすぎます(T_T)
リチャード役にはリチャード・ジョンソン。親子ほど年齢差の離れた2人でしたが、ステラの方がよっぽど大人でしたね。
後半になると、2人の生活が始まるわけですが、リチャードはオリジナル曲の作曲活動に明け暮れます。
そして、「ステラに捧げるコンチェルト」が完成するのですが・・・判っていても涙なしでは観れない名作です。
Title:
DEDICATO A UNA STELLA
Country:
Italy/Japan (1976)
Cast:
(Richard Lasky)RICHARD JOHNSON
(Stella)PAMELA VILLORESI
(Simone, l'affitacamere)MARIA ANTONIETTA BELUZZI
(Padre di Stella)RICCARDO CUCCIOLLA
Director:
LUIGI COZZI
