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容姿が似ている2人の男性と富豪の女性とのラブ・サスペンス。
1950年代後半から1960年代前半にかけて全盛を極めたヌーヴェルヴァーグ。この作品はそれから十数年も後に製作されたジャン=リュック・ゴダール監督の1990年の作品です。
なぜ、この作品のタイトルを「ヌーヴェルヴァーグ」にしたのでしょう・・・。ゴダール監督は、この作品に「新しい波」を感じたのでしょうか。
作品の内容は、正直に申し上げると難しいです。難し過ぎます(T_T)
セリフが少ないので、人物像や舞台背景の設定も把握できません。さらに、シーンも途切れ途切れ・・・。「えっ!何がどうなったんだ」の連続です(T_T)
仕事をバリバリこなすキャリアで、かつ富豪でもある若い女性エレナが、1人で車で出かけると1人の男性ロジェが倒れていました。
交通事故に遭ったロジェは記憶を喪失していました。エレナは自分の屋敷へロジェを連れ帰ります。2人の関係に愛が芽生え始めますが、ロジェは仕事もせず、ただエレナに付き従うだけ・・・。エレナはロジェとの関係にストレスを感じ始めます。
そして、2人でボートで湖に漕ぎ出します。エレナは冗談でロジェを湖へと落としてしまいますが、ロジェはカナヅチでした・・・エレナはロジェに手を差し伸べませんでした。
1年後の春。エレナの前に突然、リシャールと名乗る男性が現れます。驚くエレナ。リシャールはロジェの瓜二つだったのです。
というのが前半のストーリーです。・・・でも、よく判らない・・・(T_T)
とりあえず、撮りたいシーンだけ撮って、後で繋ぎ合わせているような・・・。
後半に入ると立場が逆転します。
ロジェと違いリシャールは行動的でした。エレナの仕事にも手を出し確固たる地位を築こうとします。エレナはリシャールとロジェとのギャップに戸惑い、仕事からは身を引いてしまいます。
そして、またあの湖に今度はリシャールと共にボートで漕ぎ出します。
そこには、絶望が・・・それとも・・・。
ストーリーだけ書き出すと面白そうなのですが、如何せん判り辛かった(T_T)
全編、詩的なイメージで観客の想像力を試されているようですらありました。
リシャールはロジェの弟として現れますが、本当に弟だったのでしょうか・・・。リシャールとロジェは実は同一人物だったのでは?と考えてしまいました。
でも、ゴダール監督はそういう視覚的・物理的な物事より、エレナやロジェとリシャールの精神的・心理的な要素を表現したかったのかもしれませんね。
・・・う~ん。やっぱり、難しい・・・。
Title:
NOUVELLE VAGUE
Country:
France/Switzerland (1990)
Cast:
(Lui:Roger Lennox, Richard Lennox)ALAIN DELON
(Elle:Elena Torlato-Favrini)DOMIZIANA GIORDANO
(Le PDG)JACQUES DACQMINE
(Raoul Dorfman, l'avocat)CHRISTOPHE ODENT
(Jules, le jardinier)ROLAND AMSTUTZ
(La serveuse)CÉCILE REIGHER
(Cécile, la gouvernante)LAURENCE CÔTE
Director:
JEAN-LUC GODARD
