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ジェシー・ジェームズの暗殺を企てたロバート・フォードの人生を描いた作品。
主役はブラッド・ピットかと思いきや、ロバート・フォードを演じたケイシー・アフレックでしたね。
1880年代。アメリカにおいてジェシー・ジェームズの名は手下を率いて強盗、殺人とあらゆる犯罪を繰り返す恐怖の象徴でした。しかし、一方で貧困層ではない裕福な企業から略奪することを、マスコミがヒーローのように書き立てた結果、貧困層や若者の憧れの対象にもなっていました。
そんな若者の1人にロバート・フォードがいました。
ロバートはジェシーの熱烈なファンであり、ジェシーのいる強盗団に志願します。
しかし、強盗に成功してもその金額は少ないものでした。強盗だけでは生活できない時代になってきたのです。
強盗団は解散したものの、残ったのはジェシーに懸けられた多額の懸賞金。ジェシーとその家族は逃亡生活を余儀なくされます。
しかし、ジェシー以上に恐怖したのは強盗団の手下たちでした。彼らはジェシーの情報を知る人物。ジェシーにとっては、逃亡生活の障害になってしまいます。
ジェシーに殺されるかもしれない・・・。
その恐怖に怯えながら暮らすうちに仲間同士でも衝突が・・・。
ジェシー役のブラッド・ピットが主役であるはずなのに、焦点を手下たちに向けて、ジェシーに怯える様子を描いたことで、ジェシーの秘めた凶暴性を際立たせています。
特に、ジェシーに従いながら怯える暮らしを余儀なくされたロバート役のケイシー・アフレックとロバートの兄であるチャーリー役のサム・ロックウェルが好演しています。
そして、ついにロバートとチャーリーはジェシーの暗殺を企てますが・・・。
ジェシーに憧れてたロバート。しかし、その憧れはマスコミによって造られた虚像でした。それでもジェシーに憧れ、ジェシーの過去の記事を大切にしていたロバートは、ジェシーという存在を超えようとしていたのでしょうか。
造られた虚像によって人生を狂わされたロバートが悲しくも感じられました。
それは、チャーリーや他の手下たち、そして、ジェシー本人にも言えることかも知れませんね。
激しい展開がないストーリーと切ない音楽によって、彼らのどうすることもできない空虚な生活と無常な世界を浮き彫りにしているようでした。
Title:
THE ASSASSINATION OF JESSE JAMES BY THE COWARD ROBERT FORD
Country:
USA (2007)
Cast:
(Jesse James)BRAD PITT
(Zee James)MARY-LOUISE PARKER
(Mary James)BROOKLYNN PROULX
(Tim James)DUSTIN BOLLINGER
(Robert Ford)CASEY AFFLECK
(Charley Ford)SAM ROCKWELL
(Wood Hite)JEREMY RENNER
(Frank James)SAM SHEPARD
(Ed Miller)GARRET DILLAHUNT
(Dick Liddil)PAUL SCHNEIDER
(Martha Bolton)ALISON ELLIOTT
(Ida)LAUREN CALVERT
(Sarah Hite)KAILIN SEE
(Major George Hite)TOM ALDREDGE
(Albert Ford)JESSE FRECHETTE
(Wilbur Ford)PAT HEALY
(Henry Craig)MICHAEL PARKS
(Sheriff Timberlake)TED LEVINE
(Dorothy Evans)ZOOEY DESCHANEL
(Edward O'Kelly)MICHAEL COPEMAN
Director:
ANDREW DOMINIK
Awards:
Venice Film Festival 2007
(Volpi Cup(Best Actor))BRAD PITT
