今回の特集レビューはいかがでしたでしょうか。
ペドロ・アルモドバル監督作品を観ると、
その時代のファッションや生き方の「流行(=モード)」を
垣間見ることができるのではないでしょうか。
その中で、唯一変わらないもの。
それは、「女性の強さ」。
母として、
妻として、
恋人として、
そして、女性として。
すべての作品において、登場する主な女性たちは
どんな苦境も乗り越える芯の強さがありました。
そして、奇抜なアイデア。
普通ではありえない出来事を
日々の暮らしに溶き込ませ、
登場人物たちに強烈な個性を与えています。
時には歌い、踊り、そして最新のファッションに身を包む。
「グロリアの憂鬱」クリスタル役のヴェロニカ・フォルケ。
「神経衰弱ぎりぎりの女たち」カンデラ役のマリア・バランコ。
「アタメ」ローラ役のロレス・レオン。
「キカ」アンドレア役のヴィクトリア・アブリル。
などが、助演として花を添えています。
さらに、
フリエタ・セラーノ
ロッシ・デ・パルマ
チュス・ランプレアベ
など、何作にも出演している女優たちも
脇役なのに強烈な印象を与えています。
あと、「色」も印象に残りましたね。
しかも、原色。ビビットな配色が目に焼き付きます。
それは、オープニングタイトルのせいかもしれません。
どの作品もオープニングタイトルのデザインや配色がスタイリッシュで
その時代のモードを感じずにはいられませんでした。
映画としては、やはり、脚本が素晴しいですね。
特に、ストーリーの構成が秀逸です。
尻切れに終わってしまいそうな展開でも
見事にまとめる構成力。お見事です。
ちなみに、監督がカメオ出演している作品もありました。
私が観ているときに確認できたのは、
「グロリアの憂鬱」
「バッド・エデュケーション」
の2つだけでした(^_^;
他の作品にも出演している?らしいので、
探してみるのも面白いかもしれませんね。
スペインを愛し、
女性を賛美し、
映画をこよなく愛するペドロ・アルモドバル監督。
今後の作品も要チェックですね(^-^)
<ペドロ・アルモドバル監督作品(長編)>
Pepi, Luci, Bom y Otras Chicas del Montón (1980)
セクシリア (1982)
バチ当たり修道院の最期 (1983)
グロリアの憂鬱 (1984)
マタドール (1986)
欲望の法則 (1987)
神経衰弱ぎりぎりの女たち (1988)
アタメ (1990)
ハイヒール (1991)
キカ (1993)
私の秘密の花 (1995)
ライブ・フレッシュ (1997)
オール・アバウト・マイ・マザー (1999)
トーク・トゥ・ハー (2002)
バッド・エデュケーション (2004)
ボルベール <帰郷> (2006)