監督:レオン・ポーチ
キャスト:
ジュード・ロウ、エリナ・レーヴェンソン
ケリー・フォックス、ティモシー・スポール、ジャック・ダヴェンポート、コリン・サーモン
製作:1998年、イギリス
イギリス、ロンドン。郊外で1台の車が事故を起こした。ハンドルを誤ったのか、崖から落ちて木に挟まった状態の車には大量の血が付着していたが、所有者で当事者と思われる女性サラ・ダンカンの姿は見当たらなかった。
事故現場に来たサラの婚約者スティーヴン・グリルシュは、その車を見上げも何も語らない。血が滴り落ちてきても微動だにしなかった。
数ヵ月後、スティーヴンが付き合いだしたマリア・ヴォーンも行方不明となり変死体で発見。ヒーリー警部とロッシュ巡査部長はスティーヴンを疑い始める。
そして、新たな恋人アン・レヴェルスと付き合い始めたスティーヴン。彼には人には言えない秘密があった・・・。
Comment:
特殊な症状に悩まされながらも欲求に逆らえない男の顛末を描いた作品。
あんなに血のシーンが出てくるとは・・・。
甘いマスクと語り、そして、計算され尽くした恋の駆け引きで、どんな女性でも射止めてしまう男スティーヴン。彼の姓である「グリルシュ(Grlscz)」も子音ばかりで発音しにくいということも話のネタでした。電話番号が書かれた名刺を渡すにもあんな意味があったとは。私には到底無理な芸当です・・・(^_^;
そこまでして女性を欲する理由が彼にはありました・・・愛する女性の血を吸うこと。
スティーヴンは血を吸わなければ、数週間で息絶えてしまうという特殊な症状に悩まされていました。そのため恋の主導権は必ずスティーヴンが握っていました。そして、女性の首に目掛けて・・・。
しかし、新恋人アンは今まで出会ってきた女性とは違っていました。いつものように恋の駆け引きを絡めながら、アンに近づいたスティーヴンでしたが、掴みどころがない勝気なアンに対し、ときには主導権を握られてしまいます。
スティーヴンは、やっと求めていた完璧な女性に出会うことができましたが、はたして彼女の血を吸うことができるのか・・・。
スティーヴン役にはジュード・ロウ。女性を虜にしてしまうミステリアスなスティーヴン。彼しか演じられない役でしたね。
スティーヴンは血を吸うことで満たされ、そして罪悪感を覚えていたのでしょう。ヒーリー警部と語った善悪の話・・・。
「善悪の境界線は人の心の中にある。」
人は善の心を持っているだけではなく、悪の心も少なからず持っている。そして、悪の心を抑えるためには「正義」が必要だが、その正義もまた行うことが難しい・・・と、スティーヴンが全身で語っているようでした。
でも、やっぱり血がドヴァーはちょっと苦手ですね・・・(^_^;
それにしても、アンはスティーヴンのベッドを見て何を驚いていたのだろう・・・考えるだけで怖い・・・。