恋愛睡眠のすすめ | ひでの徒然『映画』日記

ひでの徒然『映画』日記

映画レビューを徒然なるままに書き綴ります。


恋愛睡眠のすすめ


監督:ミシェル・ゴンドリー

キャスト:

ガエル・ガルシア・ベルナル、シャルロット・ゲンズブール

アラン・シャバ、オレリア・プティ、サッシャ・ブルド、ピエール・ヴァネック、エマ・ドゥ・コーヌ、ミュウ=ミュウ

製作:2005年、フランス


デザイナー志望の青年ステファンは、再起をかけて母親が住むパリへ戻ってきた。しかし、母が紹介してくれたカレンダー製作会社はデザイナーを必要とせず、ステファンはレイアウト係になってしまう。


母親が管理人となっているアパートメントで暮らすことになったステファン。その隣り部屋に引っ越してきたステファニーの親友ゾーイに一目惚れしてしまう。ゾーイのことを聞き出そうとステファニーと親しくなるステファンだったが、次第にステファニーと惹かれ始める。しかし想いがうまく伝えられないステファン。


そして、夢と現実が交錯していく・・・。


Comment:

想いが伝えられない青年の夢と現実が交錯するファンタジー・ラブストーリー。


「エターナル・サンシャイン」のミシェル・ゴンドリー監督が手掛けた作品だけあって、発想がユニークです。寝ている間に記憶が消えていく「エターナル・サンシャイン」に対して、この作品では寝ている間に夢の行動を現実でもしているというものです。


現実逃避の男ステファンがまたユニーク。幼い頃から発明家を夢見た彼の思考回路は常人のものではありませんでした。「災害論」をテーマにしたカレンダー。1秒間だけ未来が見えるタイムマシン。どれも役に立ちそうにないアイデアを自信たっぷりに紹介するステファン。無邪気な少年の心を持つステファンにとっては、愛を告白することのほうが難題でした。


ステファン役にはガエル・ガルシア・ベルナル。彼のコミカルな演技を観ることができます。


そしてまた夢の中へ逃げていくステファン。その夢の中のイメージが独創的でした。ダンボールを使用したクラフト・アートが夢の世界をファンシーに表現しています。すべてがダンボールなので、おそらく製作コストは抑えられた?と思うのですが、ストップモーション・アニメーションを駆使した映像は時間と手間が掛かったことでしょうね。


さてステファンの恋の行方は・・・。


う~ん。正直言って判りづらかったですね。途中までは何とかついて行けたのですが、中盤からどのシーンが夢でどのシーンが現実なのかが判らなくなってしまいました。現実でステファニーと待ち合わせた先に、なぜか夢の中で髭が伸びた社長プシェが登場したり・・・。ラストでは、いきなりステファンがメキシコへ帰ろうとしたり・・・。


発想が面白かっただけに、もう少し現実の世界をリアルに描いても良かったのではと思いました。


でも、クラフト・アートのストップモーション・アニメーションは一見の価値アリです。



にひひにひひ