監督:ノア・バームバック
キャスト:
ジェフ・ダニエルズ、ローラ・リニー、ジェシー・アイゼンバーグ、オーウェン・クライン
ウィリアム・ボールドウィン 、アンナ・パキン
製作:2005年、アメリカ
1986年、ニューヨークのブルックリン。かつて人気作家だったバーナードと現在新進気鋭の女流作家ジョアンの夫婦は離婚を決意した。2人の息子ウォルトとフランクは、両者の家を行き来する生活を余儀なくされる。
過去の栄光のためプライドが高く、人を蔑み、自分の教えを息子達に強要するバーナード。
バーナードへの愛が無くなったことを自覚し多くの男性と浮気していたジョアン。
父を尊敬する余り、気付かないうちに精神が不安定になっていくウォルト。
冷め切った両親に育てられ、ストレスが溜まり奇怪な行動に走るフランク。
不安を感じながらも始まった4人の新しい生活に、バーナードの教え子リリー、ウォルトの恋人ソフィー、フランクのテニスコーチでジョアンの彼氏でもあるアイヴァンも加わっていく・・・。
はたして、この家族の「共同監護」の結末は・・・?
Comment:
インテリな家族だからこそ起きる精神的な家族の崩壊を描いたヒューマンドラマ。
ハートウォーミングな作品だと思ったら、まったく違いました。
父親であるバーナードに共感できる部分はまったくないですね。彼のせいで家族が崩壊したと言っても過言ではないでしょう。人を蔑むことを子供に教える親って・・・。世間から認められなくなったことで性格が歪んでしまったのでしょうか。
母親のジョアンもあまりに身勝手。特に父寄りのウォルトには自分の息子ではないような言動の数々。この夫婦は、どちらも気難しく自分の「我」を押し通すため、離婚するのは当然の成り行きだったのかもしれないですね。
はじめのシーンでの家族4人によるテニスの試合がこの家族のすべてを物語っているようです。
ラストは・・・いきなりでした。あれっ?もう終わり?明らかに中途半端。何も解決していない。
監督のノア・バームバックは「意図的なラスト」と解説で語っていますが・・・私にはその意図がまったく掴めませんでした。それよりも制作費が700万ドルから150万ドルに減らされたことが原因だと言ったほうが納得するくらいのラストでした。ラストでウォルトが流した涙によって、バーナードが父親らしく諭せば制作費を保てたかもしれないですね。
高尚過ぎるのはバーナードでもジョアンでもなく、監督だったということかなぁ。
でも、この作品、なぜか絶賛されています。脚本はそんなに絶賛されるほどなのかなぁ・・・。
低予算でも素晴しいキャストに恵まれたから、映画として成り立っていると思うのですが・・・。
第31回LA批評家協会賞 脚本賞
第72回NY批評家協会賞 脚本賞