まぼろしハワイ/よしもと ばなな

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先日、図書館でよしもとばななさんの「まぼろしハワイ」を

借りました。

この本しか残っていなかったことと、

昔から、ハワイへの憧れもあり読んでみました。

この小説は、3話の話から構成されています。

主人公は、20代~30代位の女性と男性です。

3人の共通点は、親が離婚を経験したために心に傷をおっていること。

ハワイが彼らにとって、大切な場所であることでしょうか。

この主人公が、ハワイの旅を通じて、自分の過去を振り返り

清算していく心の過程が、この小説の読みどころです。

よしもとばななさんは、この作品を書き上げるのに

5年かかったようです。

凄く感動をするといったような内容では、なかったですが

心に残るフレーズに出会えた一冊です。

文章は、異なりますが、こんな感じのフレーズが印象的でした。

「生きているという事は、物事が連続的に起こること。

天国は、物事が連続的に起こらない場所。」

生きてる世界では、自分が1つ動くと、回りも動いていく。

同様に、自分も計り知れない大きな波に乗っていて、

目の前の出来事が絶えずに、変わっていく。

天国は、その逆。

欲しいものがあれば、知らないうちに手に入っているような

静止したような環境。


このような感じのフレーズを読んだとき、

「私は生きているなぁ」と思いました。

そして、目の前で起こる出来事が、気になってきました。

他にも、「自分が辛くて、悲しんだ気持ちが、しわ寄せになって

波長のあった誰かに伝わる。」というようなフレーズも

気になりました。

本当かどうかは、さておき。

自分が悲しくなるのは、遠いどこかで誰かが悲しいのかなぁとか。

自分が悲しいことがあると、遠くの誰かが悲しんでいるのかなぁとか。

また、その反対のことも想像したりしました。



なんとなく、読むにはいい小説でした。

気が向いたら、ぜひ。