作家として初めてノーベル賞を受賞した
ボストン大学のエリー・ヴィーゼル教授は、
第二次世界大戦の前、
ナチスによるユダヤ人弾圧の中、
悪名高いアウシュビッツの収容所に収容された経験を持つ。
アウシュビッツから奇跡的に生還することのできた同教授が、
その著「夜・夜明け・昼」の中で紹介しているのが、
全き暗闇から全き光が生ずる
という言葉。
光というのは、
中途半端な暗闇から出現するものではなく、
完全な真っ暗闇から姿をあらわすものだということだけど、
アウシュビッツという、
この世の地獄を自身で体験した同博士だけに、
強烈な説得力をもって私たちの胸にも迫ってくる。
どんな絶望の淵にあっても、
希望を忘れず、
そこからかならず幸運の光が出てくることを確信したとき、
人間は、自分でも思ってもみないような力を
発揮することができるのではないかしら。
そうした力が発揮できれば、
さまざまな不安や心配ごとも一瞬にして
消し飛んでしまうにちがいない。