マイペンライ

「気にしない。気にしない。」のタイ語。

事あるごとにタイ人はこの言葉を口にする。

彼らにしてみたら、「細かいことは気にせず、嫌なこと一つあっても顔にださず、程ほどに」という価値観で日々生活をしている。

仕事にしてもそうである。

日本人同様に細かい、繊細というわけではないが、チョコチョコしたことが好きで、性格自体も素朴なんで、仕事面でも比較的細かいところまで行き届いたりもする。

それに性格や価値観なども日本人と合うんだから、その結果、あれだけの日系企業が進出し、数万単位の在留邦人がタイ国内に入るわけである。

で、結果は今回ああなってしまった。

リスクが少ないと思われ、進出した。

が、いざああなるとそれまで見えてなかったリスクが、大きくリターンしてくる。

まず工場はしばらく操業できない。

そして復旧のスピードが遅い。

タイ政府はあの手この手を使って、災害対応をしているが、そこはさすがタイ人。

細かいところまで行き届いても、つめが甘い。

100点満点のところ、80点や90点は取るが、100点が取れない。

その結果、災害対応にまずさが出て、いまや天災も人災と化している。

そのおかげで1ヶ月で復旧といわれても、実際には2ヶ月かかったりするのかもしれない。

その復旧に携わる政府も政府なら、国民も国民ではなかろうか。

復旧作業をするにはするが、日本の震災の復旧と比較すると、それはもうのんびりとしたもの。

「やる気がない」と思われても仕方がない。

その結果、工場は操業を他国へ移し、現地従業員はレイオフしてしまうだろう。

工業的な面だけじゃない。

これからタイは観光シーズンを迎える。

11月から翌年2月までは一番の観光シーズン。

一部の個人旅行者、例えばオレのようなバッパーだったら、雨が降って水があふれていようと今のタイだったら、旅するのにまだ大丈夫だろう、と思っちゃうのかもしれない。

といっても、実際はモノが滞っていて、地震の時の日本と同じくモノがコンビニからなくなってしまっていると聞いた。

日本の場合はしばらくしてモノが行き渡るようになったが、タイの場合はどのくらいかかるのか。

日本よりかかってしまうんではなかろう。

コンビニ行っても水一つ置いていない、11月乾季でそんな暑くないといっても、特に北半球の上のほうからやってくる欧米人観光客にしてみたら、水無しでタイを観光するなんて考えられない。

であるから、水一つおいていないタイなんて旅できるか、という結論に至って然りだろう。

このように観光面での打撃も出てくる。

ただ単に水が引くのみならず、今まで通り、コンビニに水が売られる日が戻るまで、あとどれくらいかかるのだろうか。

総合的な復旧までまだ相当時間がかかると思う。

マイペンライを間違えたら、ここまで打撃を受けてしまうのか。

ただ現実はそれがタイである。

今週、ずっと洪水のニュースを見ていたが、本当にそう思ったね。

$オヤジパワー全開!!

写真はカオサンのパッタイ売り。

何とか営業は出来ているんだろうかね。

そんな気がするけど。