昔は全くと言って良いほど興味がなかった刺繍。
様々な国の刺繍伝統品を見ていると
とても魅力を感じ、今では興味を持って見ています。
完璧な程の、緻密で細かな刺繍にも
魅力を感じるのですが、下書きが見えているようなものや
いきなり針を刺していったであろうと見える
いびつで左右対象でないもの、そんな自分たちの為に
作った、日常のものに魅力を感じます。
特に中央アジア諸国の伝統的な染織品は、
非常に色彩が美しくて、見ているだけで
晴れやかな気分になれるような気がします。
遊牧生活から生みだされた豊かな色彩の染織品は、
身を守護し、家族の繁栄を祈り、
そして民族の誇りを表わしています。
乾燥地帯に位置するイスラーム諸国は、煉瓦造りの
そして民族の誇りを表わしています。
乾燥地帯に位置するイスラーム諸国は、煉瓦造りの
家屋を含め、いずれも木々の緑乏しい褐色の世界。
生命の源である水の色や木々の緑をはじめ、
鮮烈な彩りに強く反応します。
無味乾燥な、褐色一色の環境の単調さを破るには、
無味乾燥な、褐色一色の環境の単調さを破るには、
着衣の原色や、それに近い強力な色彩が
必要とされたのでしょうね。
生地全面に刺繍を埋め尽くし、空間を隙間無く
多彩に彩るのが、イスラム固有の美意識なのだそうです。
余白に意味や美意識をみる東アジアとは対極です。
そんな、中央アジア諸国の刺繍品が届いています。

