ANETAKAでは、毎年2月にモラの企画をしています。
** 只今開催中 2/10~28まで **
モラもまた年々オールドタイプのものが入手しずらく
なってきました。 今回は1960年頃のものから現代の
新しいものまで、展示販売しています。
中でも昔サイズの大きなモラが数枚手に入りました。
今日はその“モラ”について・・・
モラを着るクナ族は、中南米パナマ東部、カリブ海に浮かぶ
300余りからなるサンブラス諸島の島々に暮らしています。
そのクナインディオの女性たちは、
“モラブラウス”といわれる民族衣装を着ています。
クナ語で『モラ』は『服』のことを意味し、色の違う布を
何枚も重ね、模様の形にくりぬいてまつり縫いをする。
簡単に言えば『逆アップリケ』のようなものです。
モラブラウスの源流について辿っていくと、
かつて裸族であったクナ族の、顔や身体に塗りつけた
ボディーペインティングがモラブラウスの始まりでは
ないかと言われています。 ボディーペインティングの
目的は、装飾性と魔除けの為で、赤・黄・青などの
目の覚めるような鮮やかな色で、身体中いたるところ
特に顔に描きました。 モラの歴史はサックドレスの裾の
部分から始まったそうで、裸だった上半身を段々と覆う
様になり、身体中に描かれていた模様は、次第に
布にも描かれるようになったそうです。
初期の頃は丈が膝まであり、身幅もゆったりしていたので、
スカート部がモラで出来たワンピース、といった感じだった
とのこと。のちに現在使われているようなプリント生地が
手に入るようになって、モラワンピースの丈は
急速に短くなり、モラの部分がどんどんと胸元まで
上がってきたのです。 前身ごろと後ろ見ごろに
モラ刺繍がされてあり、迷路のような幾何文様や、
鳥・魚・動植物・人など自由奔放にデザインされています。
クナ族の女性たちは、一日に二度は服を着替える
そうで、一人平均5~30枚のモラブラウスを
持っているとのこと。確かタイのモン族や中国のミャオ族
山岳民族の女性たちも同じく、衣裳持ちで
お洒落なんだそうです。 お洒落の為に、色がたくさん
入った複雑なモラを作るのです。
モラのような“ 民族芸術 ”は風土や生活環境の
中から生まれています。 私たちが真似しようしても、
その感性までは真似できない。
彼女たち独自のものなんでしょうね。

