ポスターの中に描かれた女性と ” パリを魅了した異邦人 ”
という言葉に惹かれ、先日 京都国立近代美術館で開催されている
藤田嗣治(レオナール・フジタ)展 へ行ってきました。
生誕120年を記念した回顧展で、パリ時代から晩年に至るまでの
代表作100点ほどが集められた、とても見応えある展覧会でした。
『 油絵なの!? 』 と目を近づけてしまうほど独特な絵肌で、細い墨色で
描かれた線の1本1本を辿っていきたくなる様な繊細さ。
人、土地、時代の流れの中で画風の変化も見られたけれど、トレードマーク
と言われる ” 乳白色の肌 ”と墨色の線は本当に印象的でしたよ。
絵中の木の床や机の木目の細密さと、生活道具の生々しい表現が凄かった。
独特の絵肌について 『 あれは油絵ではない!!』という批判に対して
『 繪は自分の抱負であり、自分の自由であるべきである。西洋畫に
日本の筆を使って油繪に水彩畫の繪具を使ふとも、その要が得れば
何等の差支えもないこと 』 と語ったという言葉に、日常 泥のように柔らか
すぎる部分と、岩のように固まってしまっている部分をもつこの頭に
”砂と水”が必要だなぁと思う一日でした。
ま、”片栗粉と牛乳”でもいいのかな。
